毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 6 回
“こだわらない”という
こだわりの暮らし
清水國明 (タレント・自然暮らしの会代表)
●焚き火のある暮らし
2階を住居スペースに1階をNPO「河口湖自然楽校」として開放し、地元の人をはじめ多くの人々が集う清水さんのお宅。その裏庭に焚き火スペースがある。都会ではなかなか出来なくなってしまった焚き火。赤い炎の温かさと、パチパチというこぎ味いい音が、火を囲む者を優しく包んでくれる。それは、まるで自然が奏でる音楽のようだ。
「この火を見ているとあんなの作りたい、こんな事をしたい、とか、どんどんクリエイティブになってアイディアが沸いてくるんですよ。で、作る」
その言葉の通り、住まいのあちこちに丸太で作ったイスやテーブル、木彫りの像などの作品が溢れている。とは言っても“芸術作品”という大仰さはない。住まいの中に溶け込んでいるのだ。
そんな清水さんが、東京とこの住まいを行ったり来たりの生活の中で、最近ふと気付いたことがある。それが“富士山のプラスパワー”。
●“出会い”を創造する富士山のプラスパワー
「僕、占いとか宗教って信じないんですけど、ほんと富士山には“気”というか、プラスの波動ってあるような気がして。だって東京に行くとふにゃーっとなってマイナスになっちゃう思考が、戻ってくるだけでじわじわプラスになって(笑)。そのせいかここにいるだけですごい出会いが生まれる」
清水さん曰く、ここは出会いのステージがある住まい。ただ好きな物をつくって暮らしているだけなのに、リゾート会社の人が噂を聞いてやって来て、『会社のツアープログラムに“自然楽校”をいれたい』と頼まれたり、突然知らない人から電話があって、『会社の福利厚生施設として使えますか』と聞かれたり、ふらりと立ち寄った人が会員になっていったりする。富士山麓にくると気負わずに素直な気持ちになれる。するとごく自然に様々な人との出会いが生まれるのだそうだ。
「とにかく東京にいた時には考えられなかった凄い人たちに次々にあえる…これはもう富士山現象を信じるしかない(笑)」
清水さんちの裏山には、そんな不思議なパワーがあるのだ。
●育った家と“こだわらない”というこだわり
清水さんの生まれ育ったご実家は豪雪地帯で有名な福井県の山奥。その住まいには囲炉裏が切ってあり、幼少のころはその囲炉裏のそばにあぐらをかいて座る“じいさん”の膝の上がお気に入りだったそうだ。釣りの名人だった父親に腰ぎんちゃくのように付いてまわり、大自然の中で飛び回るように遊んでいたという。
そんな清水さんも芸能界に入ったばかりの頃は、シティボーイに憧れた。だからテレビ番組のロケでも、その頃は都会人をまねて虫や崖を怖がる“ふり”をしていた。
しかし、都会人が怖いという森に入れば入るほど、実は清水さんは元気になる。
「だって森とか崖は、俺がハイハイしながら遊んでたようなところだから(笑)」
次第に都会人の真似に違和感を覚えるようになった清水さん。30歳になるころには自分を開放しようと思い、アウトドアの世界に目をむけはじめたのだという。
ところがここで終わらないのが清水流。「でもね、僕今みたいに田舎暮らしをしていても、これが一番とは思っていないんです。田舎暮らしに“こだわる”ことはしない。本音言えば、たまに鮮やかなネオンも恋しくなる(笑)。だからこだわらない。つまり“こだわらない”事にこだわってます」
●欲求を全部開放!それが退屈知らずのくらし方!
だからこそ、清水さんの辞書に「退屈」という文字はない。
「例えば仮に4時間あったとしたら…。今、やりたいことを我慢している人はこの空いた時間をどう退屈せずに過ごすかを考える。でも僕は4時間あったらあっただけ好きなこと…物をつくること、こんなことやりたいって事に費やすんですよ」
自らの欲求をとにかく全部開放して、それに挑戦してみる。だから退屈なんて絶対しないのだ。
「いい時間の過ごし方って、こういうものを作りたいって思ったら朝になってた!これだと思うんですよね」
●死に様こそ、生き様。清水流ライフスタイル
「僕、死ぬ時はログハウスつくっててバタンか、魚釣っててバタンていうのがいい(笑)」という清水さん。清水さん曰く“人は死に様をきめてこそ、生き様が決る”。つまり死に方という目的があるからこそ逆算して生き方【今、やるべきこと】を考えられるという訳だ。
「だって魚釣りながら死ぬなら、釣りに行ってなくちゃいけない。ログハウスつくってだったらチェーンソー振り回してなきゃいけない(笑)。だからやり続ける。つまり人生の後半は、こうしたいって死に方をきめての墓場づくりかもしれない(笑)」
では、この富士山麓の住まいが終の棲家になるのだろうか?
「いやぁ、ぼく遊牧民だから…今はここにおちつきたいって思うけど、またこれって思ったら別の住処にうつっているかも…(笑)やりたい夢もまだまだあるし…(笑)」
そう、清水流のライフスタイルは、常に自然体なのだ。
タレント・自然暮らしの会代表
略歴
1950年 10月15日福井県に生まれる。
1976年 京都産業大学法学部を卒業。
1973年 芸能界デビュー。
テレビ、ラジオの司会やコメンテータ、新聞雑誌への執筆活動など幅広く活躍中。
芸能界きってのアウトドア派として自然体験イベントや講演活動も多い。家族と共に楽しむアウトドアライフは、ライフワークでもある。
1995年、アウトドアネットワーク<自然暮らしの会>を結成、代表を務める。
役職
アウトドアライフの全国的ネットワーク<自然暮らしの会>代表
自然志向の人達に向けて、ログハウスやカヌー作り等、様々な自然体験の場を提供中。現在、会員数は5,000名を越えている。
<自然暮らしホームページ:
http://www.bnl.co.jp/
>
二輪車安全振興会理事
オートバイの安全普及活動『SAVE OUR LIFEキャンペーン』を継続中。
JRB(ジャパン・レスキューサポート・バイクネットワーク)顧問
阪神大震災でのボランティア活動の経験を踏まえ、災害に対するオートバイのレスキュー組織。
「自然災害に対する国民的保障制度を求める都民会議」代表世話人
『100回の防災訓練よりも、1回のキャンプを』と、アウトドアライフのノウハウを防災に役立たてようと提唱。
「特定非営利法人 日本釣り環境保全連盟」理事
釣り場の環境保護を主目的として設立。水辺の環境保護を提唱中。
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