毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 7 回
イギリス 住まい500年の旅
イギリス観光というと何を思い浮かべますか?バッキンガム宮殿、ロンドン塔等数多くの文化遺産があげられます。しかし、イギリスの文化遺産は観光スポットに代表される建物ばかりではありません。ふと周りを見ると長い歴史を持った住まいや街が息づいているのです。その歴史はなんと500年!そこには今もなお人々が心地よく暮らし、500年前の風景、街並みを脈々と受け継いでいます。
その頃、日本は戦国時代。戦国時代の住まいや風景を、現在見ることができるでしょうか?
イギリスの住まい、街並みを、第一章:中世(500年前)に生まれた街、第二章:100年前に生まれた街、第三章:現在〜未来へ、の3部作でご紹介したいと思います。
第一章
中世(500年前)に生まれた街 カージィ、ラヴェナム
●カージィ 〜愛らしい住まいたち〜
写真はクリックすると拡大表示されます
ロンドンから北東約150kmに、中世に織物の村として栄えたカージィ村があります。この後400年後(今から100年前)に作られた田園都市レッチワースの設計者が描く都市空間の原点となった村です。
職人さんが、音楽を聞きながら楽しげに茅葺き屋根の葺き替え作業をする光景に出会いました。職人さんは、それぞれ独自の屋根のデザインを持っていて、一目で誰が葺いたのかがわかるそうです。
一人で茅葺き作業をする職人さん
ピクチャーレスクから観た
カージィの街
村全体を一望できるセント・マリイ教会に登ると、そこには大きなフレームがあり、村の風景をそこから眺めることができます。ピクチャーレスクといって絵になる風景を意識して街全体を作っています。そこから町を眺めると、緩やかにカーブした道に添ってオレンジ、ピンク、白、レンガ色の家が、緑に囲まれ建ち並んでいます。玄関の周りには花々が植えられ、それぞれ、住まいに合ったデザインを楽しんでいます。
●ラヴェナム
〜イングランドでもっとも美しい中世の小都市〜
緑に囲まれたカージィ
外壁の色とも調和した花々
ハーフティンバーの家
カージィ村から車で30分のところに中世の織物交易の街として栄えたラヴェナムがあります。ハーフティンバー(白壁に木組みの構造が浮き出たデザイン)の家並みが続き、壁には石やレンガが使われているものもあり、変化に富んでいます。窓枠がかしぎ、壁は反り返り、床は斜めになっている個性的な家が並びます。
隣に支えられて建っている傾いた家
今も現役で住みつづけている500年前の建物の中に入ると、階段が傾いていたり、きしんでいたり、きっと日本では欠陥住宅になってしまうような要素がいっぱいです。でも、中にいると不思議と安らぎ、何か大きなものに包まれているような感覚になります。地震の多い日本では考えられないかもしれませんが、傾きも身体に馴染み愛らしささえ感じます。
カージィ、ラヴェナムとも美しい街でした。街を歩くだけでも、時間とともに育まれた空間は、住む人の生活を豊かなものにしてくれると感じました。
個性的な外観が並ぶラヴェナムの街並み
周辺の環境と調和した住まいのデザイン
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