毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 11 回
オランダ エコロジー住宅の旅 (1)
 オランダというとチューリップ、水車、広大にひろがる緑の平地を思い浮かべませんか? 国土の大半が埋立地であるオランダは、地球温暖化による海水面の上昇は国土が減少してしまうことであり、また資源が限られた中で国を経営していかなければなりません。資源に恵まれた日本では見ることができない地球環境への積極的な取り組みがオランダでは行なわれています。今回は、郊外型の住宅地である「エコロニア」と世界最大規模のソーラータウン「ニューラント」を2回に分けてご紹介します。
 同じ地球に暮らすものとして、皆様も環境への配慮を少し思い描いてみてください。

●エコロニア

車一台に樹一本がスローガン
 アムステルダム郊外にあるオランダ・エネルギー環境庁が開発主体となって1993年竣工した環境配慮型の郊外住宅地です。開発の際「省エネルギー」「資源のリサイクル」「住宅の高品質化」の3つの指針をもとに9人の建築家によってつくられた環境にやさしいまちです。車を制限する道路を住民が相談して決め、また樹木の育成と車を関連付けて「車一台に樹一本」のスローガンをたて住民の意識を高めるなど、住民が造る街でもあります。

約2haの面積に101戸の低層住宅が並ぶ

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路地も緑豊かな空間
屋上緑化された住まい
住宅デザイン

 9人の建築家が設計した変化に富んだデザインの低層住宅。太陽光を取り入れるために南面の開口部を大きくする、ペアガラス、ソーラーシステム、雨水利用、熱交換型換気システム、天然塗料を使うなど冒頭の3つの指針に合わせて設計がされています。
 省エネを目的とし南面に温室やガーデンルームを設置するなど、街全体に温かみが感じられます。

南面である玄関に位置する温室
太陽光を取り入れる個性的なデザイン

ビオトープ

 エコロニアの中央にある池は、敷地から出る雨水を集める調整池で、葦や水草、微生物によって水が浄化されます。この水は蒸発による湿度調整機能だけでなく、水辺に入り込んだデッキもあり豊かな暮らしを彩る役割も果たし、深さも30cm程度で安全に配慮されています。
「ビオトープ」について

街の中央に位置する調整池

オーガニック建材

 資源のリサイクルをテーマとした家では、建材は200年先に解体した際にもリサイクルできることを条件に検討したそうです。

おわりに

 一人の住人の方にお話しを聞きました。その方が新しい住まいを捜していた時、エコロニアの住環境と環境に対する取り組みを知り、共感して引っ越してきたそうです。ここに住むことに誇りと喜びを持っていることを強く感じました。
 この街には、管理組合などはなく、住民のモラルによって街が快適に維持されています。人が街を選び、そこに住むことで更に人と街が育てられていくようです。人と街、そして地球との良い関係の一つの例を見ることができる街です。
 そしてこの街は、最先端の技術や考え方を使いながら造られた街ですが、どこか懐かしさを感じる街でもありました。
化学処理されていないヒマラヤ杉を使用
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