毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 57 回
【坪単価でわかること】
住まいづくりにかかる費用について、これまでコラム (
住まいづくりにかかる諸費用 その1
、
住まいづくりにかかる諸費用 その2
) で建築工事費以外の諸費用についてお伝えしてきました。
いちばん気になる建築工事費については、多くの方が「坪単価」から検討していらっしゃるようです。今回はその「坪単価」についてお話ししたいと思います。
●建ててからわかる坪単価
「坪単価はどれくらいですか」と、皆さんは工事会社に対してよく質問されますね。
多くの方が坪単価=建築工事費÷床面積だと考えて、坪単価を聞いて自分が欲しい家の床面積を掛け合わせて建築工事費の見当をつけています。
この考え方は昔ながらのつくりの家にはある程度当てはまります。構造材はすべて室内に現れているので、ヒノキかスギかは一目瞭然ですし、仕上げ材も木や土でわかりやすい。設備工事なんて水道と照明だけでした。
ところが現在の私たちが住む家ではこうはいきません。同じ床面積の家でも、外観や間取りを変えると壁の量や屋根の面積が変わります。
吹き抜けや小屋裏など部屋ではなくても工事費がかかるスペースもふえてきました。もちろん仕上げ材もピンからキリまであって素材も多種類になりました。
大きく変わったのは水回りを含む設備工事でしょう。昔に比べて建築費全体に占める割合が増えて、内容も複雑化しています。目にふれない部分が多いので工事内容もわかりにくく費用の見当がつけにくいですね。
つまり、形と仕上げと設備などのすべてが同じ家でなければ坪単価を比べられないということです。坪単価はデザイン・設備・建材などの仕様、敷地の状況などが決定されなければ算出できません。
これでは建築工事費の見当をつけるには役立ちませんね。
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●本体工事費だけで家は建たない
そこで考えられたのが工事会社ごとの標準仕様 (モデルプラン) による本体工事費という考え方です。今では坪単価といえば本体工事費で計算するのが一般的になってきました。本体工事費というのは、好みやデザインにあまり左右されない、建物としての基本的な部分と考えていただければいいと思います。
ですが、別表のようにどこまでを本体工事と考えるかは工事会社によって違います。もちろん材料や仕上げのグレードも会社ごとに異なります。
したがって坪単価○○万円といわれた場合、
○○万円×床面積=建築工事費
と考えては、いけないことになります。
ここで出てきた数字に別途工事費 (付帯工事費) を加えないと建築工事費の総額にはなりません。
さらに、標準仕様 (モデルプラン) とうたわれている場合には、本体工事範囲内でも、形や仕様を変えるとオプションによる変更工事費が加わることもあります。例えばリビングの引き違い窓を出窓に変えるといった場合です。
また、建物内に車庫や小屋裏がある場合には、床面積ではなく、これらを含む工事床面積で坪単価を計算して、坪単価が低目にでているケースもあるのです。
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●工事費を知りたいとき
では建築工事費を知りたいときはどんなふうに質問をすればよいでしょうか。
ひとつは、坪単価を聞いて本体工事費の計算であることを確認し、別途工事費 (付帯工事費) がどれくらいになるかも合わせて聞くことです。
もうひとつは、標準仕様 (モデルプラン) の支払い総額を聞くことです。
どちらにしても、でてくる金額は概算であって、敷地条件や希望・変更によって金額が増えていくと考えたほうがよさそうです。
このとき、住まいのコンセプトあるいはイメージが明確になっていると、希望や変更箇所を整理し順位をつけて工事費を調整することも可能です。
晴海デザインセンターではお客様の新しい住まいのイメージづくりを「住まいの計画書づくり」としてお手伝いしています。
ご家族皆さんで新しい住まいのイメージづくりをしておくことは、新しい住まいの間取りや住み心地を決めるための足がかりとなるだけでなく、予算組みなども含む住まいづくり全般にわたっての基礎づくりだと、私たちナビゲーターは考えています。
[住まいのナビゲーター 葛西 和子]
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