毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 27 回
【晴海トリトンスクエア物語 (10)】
都会の小さな大自然にようこそ (3)

 超高層ビルがそびえ立つ新しい都心の街、晴海トリトンスクエアのテラスには、「家を建てたらこんな庭もいいな」と思わせる小さな大自然があります。トリトン完成から5年。より自然な状態を演出するためにモザイク状に植えられたそれは、「トトロがいるかも」と思わずイメージしてしまうほど大きく育ちました。今回もそんな小さなワンダーランドをご紹介していきましょう。

●晴海トリトンで水浴びをするヒヨドリ

 自然あるところには、必然的に鳥や昆虫がやってきます。トリトンも例外ではありません。ノーストリトンパークを抜けた場所にあるスーパーマーケット「ポロロッカ食品館」の入口の真上には、野鳥が巣を作りました (トリトンでは「糞に注意。皆さんで暖かく見守っていきましょう。」という看板を掲示し、巣を大切に見守ることにしているそうです)。「野鳥は増えてきていますね。例えばヒヨドリの“つがい”が毎年来ています。子供も産みました(笑)。人に慣れたのか、夏場、緑に水をあげていると、その水を浴びに来るんですよ」と、うれしそうに小さな大自然について答えて下さるのは、前回同様、トリトンの植栽プラン・管理に携わる住友林業緑化株式会社の深澤美由紀さんです。蝉や蜻蛉 (とんぼ) の数も増えました。また、蝶々が多いのもトリトンのテラスの特徴のひとつ。これには訳がありました。

●蝶がやってくる木「ブッドレア」と、
触ると癒される植物「ラムズイヤー」

 「割と有名な樹木なんですが、『ブッドレア』という木が植えてあるんです。その花の香りに蝶が誘われて来るんです」と深澤さん。
 別名『バタフライブッシュ』。幼稚園や小学校では蝶を観察するために植えることが多い木だそうで、よく見れば、面白いようにその木の周りには蝶がいます。
 香りや感触が“人”を惹きつける植物もあります。例えばローズマリー。トリトンに出勤してくるOLの中には、このローズマリーに両手を触れて香りを移し、眠気を覚ます人もいるそうです。極めつけは、葉の手触りがまるで「子羊の耳」だと言われる、その名も『ラムズイヤー』(子羊だとわかりにくいかもしれませんね。あえて言えば子猫を触った感じです)。銀灰色の葉は、とても植物とは思えないほど柔らかな感触で、触るだけで心が癒されます。でも一般の人が触ってもいいのでしょうか。深澤さん曰く、「どんどん触って欲しいんです(笑)。花や緑を見るだけじゃなく、植物はとても面白いことを知って欲しいので」
ブッドレア
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ラムズイヤー
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●緑のトンネルと季節で色が変化する緑の壁

 癒される場所はまだまだあります。まずは「緑のテラス」にある「緑のトンネル」。ここは当初から、緑がトンネル状になるよう植栽が設計されていて、木が少し斜めに植えられています。歩道をトンネルのように覆うカタチで緑が育つように考えられているのです。「でも、あまり生い茂ってしまうと薄暗い場所になってしまうので、程よく陽の光が入るように管理したり、斑 (ふ) の入った明るい葉の植物を植えて、日陰が明るいイメージになるようにしています」という深澤さん。トリトンの植栽は、単に自然に近づけるのではなく、「花や緑」と「人」が、共にすごしやすい環境を創っているのです。
 そんな環境を演出しているもうひとつのポイントが、トリトンパーキングの建物を覆う“ツタ”です。緑のテラスの横にあるトリトンパーキングの壁は、建設当初、むき出しの壁がそのままになっていました。テラスを行き交う人はもちろん、後ろには住居棟があり、そこからの眺めも圧迫感がありました。そこで、この壁面を緑化してみようという構想がたてられたのです。『ナツヅタ』という植物が植えられ、春から夏は緑の葉で、秋には真っ赤に紅葉した葉で、美しく壁面を覆っています。圧迫感のあった壁は、季節で緑から赤に変わる素敵な植物のキャンパスとなりました。トリトンでは、こうした様々な緑の実験が行われているのです。

●30年構想? ライバルはテーマパークや旭山動物園?

 他ではなかなか見られない「都会で人と触れあう」ことが出来るトリトンの小さな大自然。ライバルとなる場所はあるのでしょうか?「植栽という意味ではいっぱいあるかもしれませんが、出来ればテーマパークようなテラスにしたいです。色々な人がトリトンに来たくなる、その一役を担う植栽、というのが目標なんです」。でも本当の完成と言えるまでには30年はかかるかもしれないと微笑む深澤さん。街が街として完成するのも同じことが言えるかもしれません。緑も街も、時間をかけて育んでいくものなのです。
緑のトンネル
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緑の壁
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●緑のプロから聞いた、ガーデニングの極意


 最後に深澤さんから、家庭でも役立つガーデニングの極意を教わりました。それはズバリ「水をやりすぎないこと」。当たり前と思うかもしれませんが、ご家庭ではつい植物を愛するあまり、水をあげすぎてしまう事が多いのだとか。植物は、水が欲しくて根を伸ばし強くなっていきます。だから水やりのタイミングが一番大切なんだそうです。トリトンの植物達も、今では夏場に水まきする以外、天の恵みで充分、ほとんど水まきはしないそうです。
 そんな「緑の育て方の極意」も聞ける、トリトンの『花クルー・ツアー』に、ぜひ参加してみてはいかがですか? 詳細は下記のURLへ。少人数制なので、お申し込みはお早めに。

住友林業緑化 (株)
深沢美由紀さん
写真提供:住友林業緑化(株)
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