毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 39 回
歳時記のある暮らし (2)
フラワー&空間コーディネーター
浜 裕子

 2月の異称は、如月。旧暦の2月は今でいう3月半ばからですから草木の芽がはりだすという「木草張月」から由来しているとか。空気は冷たいながらも立春から木々が芽吹き始め、ビオラやムスカリが美しく咲きだし、自然は確実に春の訪れを告げています。2月の年中行事といえば、節分 (2月3日、立春の前日) にバレンタインデー (2月14日)。
 今回は、歳時記とともにホームデコレーションのポイントをご紹介いたします。

●節分

 節分は、季節の分かれ目のことを指し、立春だけでなく、立夏、立秋、立冬の前日はすべて節分とされていましたが、現在は春の節分だけ行事として残りました。鬼は外、福は内の掛け声は、1年の邪気 (鬼であり、寒気) を追い払い、新しい年の福を招き入れるもので、節分は年迎えの行事でもあるのです。
・豆まき
豆まきの風習は中国から伝わった「追儺 (ついな)」の儀式から由来し、豆をまくのは、鬼の目を打つ、「魔目」に通じ、「まめに暮らせるように」との意味もあります。 家庭では、一家の主人または、年男、年女が日の落ちた夕刻から窓を開け放ち、家の奥のほうから外へ向かってまきます。豆まきの豆は福豆と呼ばれ、年齢の数プラス1だけ食べます (昔は立春迎えると1つ年ととると考えていたため) そんなにたくさん食べられない方は、豆を茶碗に入れ、熱いお茶を注いで「福茶」にしても豆を食べたのと同じご利益があるそうです。
・ひいらぎに刺したいわしの頭
厄払いに焼いた鰯をヒイラキの枝に刺して戸口に飾る習慣もあります。鰯は焼く時にイヤな臭いで鬼を追い払うため、柊は、ギザギザの葉で家を覗きにきた鬼の目を突くためとされています。
・恵方巻
関西で食べられていましたが、最近では関東でもすっかり馴染みのものになってきました。 2007年の恵方は北北西。 縁が切れないように包丁はいれずに、恵方を拝みながら黙々といただきます。
豆、柊、鰯の3点がそろえば、節分の演出も簡単。祭事の空間でもある床の間にしつらえるのが理想ですが、床の間がなくても、コンソールやサイドボード、玄関の靴箱の上などを利用してのしつらいも素敵です。その折、布や和紙、帯を利用して敷物、掛け物などの心配りがあると更に演出効果が上がります。

●立春

 二十四節気のひとつで、暦の上で春が始まる日。
 立春の花は椿、木辺に春と書くことから冬の寒気を払い、春になったことを示す花とされています。 椿の花1輪飾るだけで、気品と春の香りがします。

●バレンタインデー

 愛の教えを説いたローマの聖職者バレンティヌスの殉教日を記念したキリスト教の祝日で、2月14日は愛の記念日となりました。欧米では、恋人同士や夫婦だけでなく、家族、親しい友人へカードを添えてチョコレートや、花束、赤ワインを贈る習慣があります。この日のシンボルはハートです。ハートに想いを託して、愛する人、家族、自然、自然界すべてのものを愛する心の優しさ、ゆとりをもちたいものですね。

写真をクリックすると拡大して解説文章が表示されます。
歳時記のホームデコレーションのポイント
  • それぞれの歳時記に意味のあるもの (モチーフ) を取り入れ、誰がみても判るテーマにすること。
  • 伝統のものに現代の暮らしの感覚を加味して、無理をせずに、自分が心地よく感じられる空間を作ることが、暮らしを楽しむポイントです。
  • ビジュアルアクセントを盛り込み。パッと目に飛び込むアイテムをいれる。時には、花であったり、掛け物であったり、置物であったり (ある程度の高さがあると効果的)
  • 季節先取りで歳時記のある暮らしをしましょう。和の場合、直線を意識して、リネン類も折り目正しく、ピシッとすると心地よい緊張感が生まれます。
  • ウィンドウトリートメント ファブリックを巧く利用してお部屋の雰囲気の模様替え
  • お客様や記念日等の特別な時だけでなく、日々の暮らしに季節感を取り入れた室礼をすることが、ホームデコレーションの達人への近道。
フラワー&空間コーディネーター
英語、日本語講師を経て、フラワー・インテリア・テーブルコーディネートをはじめ旅館・ホテル・レストラン等での空間演出及び社員教育、パーティー、イベント、広告等の企画、演出を手掛けている。商品企画、地場産業活性化にも意欲を燃やし、ショッププロデュース、店舗リノベーション企画を手掛ける。和と洋の融合、精神性の高いデザインをテーマにライススタイル提案に取り組む。大学、各種専門学校、キャリアスクールの講師、講演等行う。花のある暮らし、生活空間をアートすることをコンセプトに「花生活空間」主宰。幸商事株式会社代表取締役。共著に「テーブルコーディネーターの仕事」(優しい食卓出版部)「フラワー&テーブルコーディネーター養成講座」開催。
月刊「フローリスト」にて「花のテーブルコーディネートレッスン」連載中
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