毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 45 回
【晴海トリトンスクエア物語 (15)】
大賞受賞! 深夜に働くトリトンのお掃除ロボット
-その1-
昨年創設された「今年のロボット大賞2006」(主催:経済産業省ほか) の記念すべき第一回大賞に、晴海トリトンスクエアに導入されたロボットが選ばれたのをご存じでしょうか? それは、トリトンオープン時から活躍している画期的なお掃除ロボット。正式名称「ロボットによるビルの清掃システム」(富士重工業 (株) / 住友商事 (株))。実はトリトンで働いている人でも、そのロボットの稼働風景を実際に見たことのある人は多くありません。活躍する時間が深夜だからです。しかし、見た人は誰もが驚く事でしょう。なぜならそのロボットは、自動で掃除をすることはもちろん、“エレベーターを自分で乗り降り”出来るのです! ロボット=夢の実現ではなく、「私たちの暮らしに必要なもの」であることを感じさせてくれるロボットです。
●「今年のロボット大賞」って何?
新聞やテレビの報道でご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、まずは「今年のロボット大賞」とは何かを簡単にご紹介しましょう。
技術立国日本の象徴ともいえるロボット技術開発。「ここまで来たか」と思わせるロボットの登場は華やかではありますが、一般的な現場で活躍したり、そのロボットシステムが活発に売買されたりしている事例 (産業用ロボットを除く) はまだまだ少ないというのが現状です。そこで、もっとロボット市場を活性化させようという目的で、現場に導入され、ビジネスとしても将来有望なロボットを表彰する制度「今年のロボット大賞」(主催:経済産業省、(社) 日本機械工業連合会、(独) 中小企業基盤整備機構、日本経済新聞社) が創設されたのです。踊ったり走ったり出来る2足歩行ロボットなどに比べれば確かに地味かもしれませんが、「確実・安全で便利、そして経済的」というロボットがなければ普及しません。つまり「これは使える!」というロボットにスポットを当てようという賞なのです。
●暗闇の中を颯爽と掃除する7台のロボ
その大賞に輝いた晴海トリトンスクエアの我らがロボットを早速見ていきましょう。
深夜11時。多くのフロアの明かりが消える晴海トリトンスクエアのオフィスタワー。その暗闇の中で7つの影が動き出します。W棟に1台、Y棟に3台、Z棟に3台…。その影は、身長約1メートル、幅72センチ、奥行き85センチという、太めながら安定感ある体格。彼等は、共用スペースであるエレベーターホールや廊下を場所によって速度を変えながら、確実に走行すると同時に、ビルのカーペットについた汚れを強力なパワーブラシと吸引ノズルで掃除していきます。細めの通路や曲がり角があっても決して壁にぶつかることなく、自動で旋回・走行しながら掃除してゆくのです。さらに、そのフロアの掃除が終わると、エレベーターホールへ向かい、エレベーターを呼び、エレベーターに乗って別のフロアへ。そしてそのフロアを掃除し終わると、またエレベーターを呼んで…。複数階の掃除を1台でまかなうのです。そこに、人間は一切関わっていません!
●人間が関わるのはスタート時と終了時だけ
また、人がこのロボットに出くわしてもぶつかることはありません。彼等は、瞬時に障害物を検知して停まり、その障害物が移動したかを確認、再び仕事に戻ります。
数時間後、すべての作業を終えた7台のロボットは所定の場所へ戻ってきます。あとは係の人がスイッチを切り、フィルター交換などの簡単なメンテナンスを行い格納場所に片付けるだけ。人間が関わるのはスタート時と終了時だけなのです。
●少子高齢化社会に活躍するロボットのひとつなのです
このお掃除ロボット導入のメリットはたくさんあります。まず、人と違って見落としやミスがなくなり清掃の質が一定となります。また、ロボットなので作業中の照明や空調は必要ありません! これで省エネも実現できます。さらに何台のロボットが働いていても作業管理員は一人でいいので、人件費の削減になります。
コスト削減だけではありません。清掃サービス業はいわゆる3Kと呼ばれる職種で、早朝深夜の出勤も多く、働き手が少なくなりつつあるのが現状です。少子高齢化が世界一のスピードで進む我が国においては、これらの業種の人手不足は深刻な問題でもあるのです。実際にニーズが多くなりつつあり、ほぼ同型のものが六本木ヒルズや中部国際空港などにも導入されています。
私たちの暮らしの中に、ロボットは本当に必要な存在になってきたのです。
写真は、撮影のため照明を付けています。
●開発までの道程は…
晴海トリトンスクエアは、以前ご紹介したようにいままでにない
自然を生かした植栽
をはじめ、地権者が主体となったからこそ出来る様々な新たな試みで、新しい街づくりをしてきた場所です。実は、このお掃除ロボットも、そんな試みの一つなのです。
もちろん、その開発・導入への道程は簡単ではありませんでした。
次回は、富士重工業と住友商事の開発担当者のお話を交えながら、「お掃除ロボット」誕生秘話をお届けします!
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