毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 98 回
【新築住宅の不安解消!?】
−住宅瑕疵担保履行法−
皆さんは、「瑕疵」という言葉を知っていますか?「瑕疵」とは、一般には、きずや欠点を示す言葉ですが、法律用語としては、完全な条件を欠いている状態 (=欠陥状態) をさす言葉です。通常、建築の工事請負契約約款には瑕疵の担保についての条項があり、施工上の瑕疵があるときには、瑕疵の修補や瑕疵による損害の賠償を担保するよう取り決めています。(参考例:民間連合協定 工事請負契約約款)
今回は、新築住宅にまつわる基本的な品質保証の責任とその確保 (瑕疵の担保と履行) のために作られた新法がもたらすものについて、少しお話したいと思います。誰もが気になる保証の不安は、軽くなったのでしょうか?
●「瑕疵担保」のバックアップがはじまります!
来年、平成21年10月1日から、新築住宅の引渡しに、資力確保措置 (保険への加入または保証金の供託) が義務付けられます。去る7月1日には、そのための保険「住宅瑕疵担保責任保険」の受付が始まりました。
冒頭でも触れたように、通常は契約で瑕疵の担保を取り決めますが、新築住宅は、平成12年4月に施行された「住宅品質確保法」により、構造耐力上主要な部分の瑕疵や雨漏りなどについて、10年間の瑕疵担保責任を負う事が義務付けられ、基本的な品質については、契約ごとに差異のあった保証が一定の水準になるよう義務化されました。しかし、売主や請負人の姿勢や財務状況によっては、義務化された責任が果たされない場合もあります。平成17年11月に発覚した「構造計算書偽装問題」による一連の顛末は、記憶に新しい事件です。
そこで、今回の「住宅瑕疵担保履行法」の登場です。
「住宅品質確保法」で定められた義務である10年保証を確実に実行できるよう、「住宅瑕疵担保履行法」で責任を果たす為の資産確保が更に義務化されました。実はこれまでは、義務である10年保証を確実にするためには、自分で希望して別途任意の保証制度を利用するしかなかったのです・・
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●バックアップの方法は?
住宅の最も基本的な品質を守る事、つまり構造耐力上主要な部分の瑕疵や雨漏りなどについて10年間の瑕疵担保責任を確実に果たす為に、今回の法律で定められた資力確保の手段は2つです。
ひとつは、売主または請負人が行なう「供託」という手段で、新築住宅の補修に要する費用の支払いが出来るように供給戸数に応じた保証金を預け置くものです。もうひとつは売主または請負人がかける「保険」で、住宅瑕疵担保責任法人との間で、瑕疵が判明した場合に保険金を支払う事を約束した保険契約を結ぶものです。いずれかを選択するか組み合わせる方法で資力確保がなされます。
これにより、売主または請負人は、新築住宅の基本的な品質の10年間の瑕疵担保責任を確実に果たすことができ、また万が一倒産などにより瑕疵を修補できなくなった場合でも、買主または発注者には保証金の還付や保険金により必要な費用が支払われるのです。
●バックアップあってこそ・・・!
これまで、法律で定められてはいたものの、具体的な裏づけは相手任せで、一抹の不安があった住宅の最も基本的な品質を守る義務。それが今回の法律によって、強制の保証を伴う義務になった事は、とても喜ばしい事です。 本来、瑕疵担保責任の義務とそれが果たされる為の資力確保は、車の両輪のようなものです。今回それがやっと揃ったのです。これまでのように、自衛手段による保証や企業独自の保証制度に頼ることなく、あまねく万が一の場合の安心が担保されます。大きな事件などを経て動き出したこの変化を歓迎しつつ、これがきちんと機能してゆくよう見守ってゆきたいと思います。
[住まいのナビゲーター 村上 まみ]
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