毎週、様々なテーマでお送りする、
Housing Column。
第 69 回
Green Life のススメ 1
インテリア・デザイナー
細井 絵理子
エコという言葉が日常生活の中で大変身近に、そして重要なキーワードとして使われるようになってきています。きっとこのコラムを読んで下さっている方の中にも様々なエコ・ライフに関心を持ち、実践されている方も多いのではないでしょうか。
インテリア・建築業界でも様々なエコに関する試みが企業から、そしてプランニングする側から発信され、大きな動きとなりつつあります。そのような中、昨年から日本でも注目されるようになった新しいキーワード「Green/グリーン」について、その「考え方」と「実践編」として2回に分けてご紹介します。
●Green/グリーンとは?
ここで言うGreenとは、単純に緑色や植物といった意味ではありません。欧米の建築、インテリア業界で1990年代後半から使われだしたプロジェクトコンセプトの総称で、その意味は「環境を継続的な (持続可能な) 目的を持って開発するプロジェクト」となります。この言葉は2000年に入って、環境に配慮した様々なプロジェクトのコンセプトキーワードとして広く一般化し、多くの人々の日常生活にも浸透してきたと言われています。
欧米で様々なグリーンプロジェクトがスタートした当初は、その多くが大型の再開発による商業・公共施設のプロジェクトでした。ロンドンのテムズ川沿いの再開発やアメリカの西海岸のホテルデザイン等のコンセプトとしてGreenが採用され、環境や人に配慮した建材や内装資材の使用、省エネルギー設計の建築技術が積極的に導入されました。その後、一般住宅においてもその考え方は継承され、現在、アメリカではテレビ番組内で「Green House」の名称で環境に配慮した設計、コンセプトの住宅が建てられ、視聴者に販売するという試みまでなされています。
アメリカ国内でこの言葉がそこまで広がった背景には、アル・ゴア元副大統領の著書「不都合な真実」やハリウッドスターによる環境問題への発言など、様々な要因が挙げられていますが、インテリア、建築の分野においては「LEED」というシステムの存在が大きな影響を与えたと言われています。
●LEEDとは?
アメリカでは環境への影響を最小限に抑えながら、入居者やテナントにとって最大限のスペースを効率よく確保する総合的な設計 (デザイン) ツールが存在します。それがLEED/リードです。これは、設計の評価システム (ガイドライン) であり (正式名称はLeadership in Energy and Enviromental Design)、現在、アメリカ国内における多くの商業・公共施設でこのシステムが採用され、評価を受けることでその施設の不動産価値も上がるという現象を起こしています。
日本でも業界毎に環境に配慮した商品の開発や基準が設けられていますが、残念ながら一般消費者における認知度及び実施プロジェクトへの採用率は、他のエコ先進国と言われる国と比較するとまだまだ低いと言わざるを得ません。
アメリカではこのLEEDの基準を満たした物件に、そのランクに応じて「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」「認定」という評価が与えられています。このわかりやすい評価表現が一般消費者への周知度・関心を高め、現在では住宅でもその評価システムを採用しようとする動きに繋がっているのです。
日本でもこのシステムを応用出来ないかという動きが国内のインテリア、建築業界の一部で出始めています。近い将来、日本でもこのような統一されたシステムが始動するかもしれません。
次回は、Greenの実践編として、気軽に始められる身近なGreen活動についてご紹介します。
インテリア・デザイナー
東京都生まれ。1990年文化出版局入局。雑誌「ハイファッション」のファッションぺージ担当。
デキャン社 (仏) のデザイナーのインタビューを機にインテリアの道へ進むことを決意。出版局を退局後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーでインテリアを学び、建築会社に入社。住宅のリフォーム、オフィスビルの改修を中心に手がけた後、1998年独立。
2000年インテリア・デザインオフィス「c//space」設立。個人邸や店舗のリフォーム、オフィスの内装デザイン、インテリアメーカーのカタログのスタイリング等のデザイン業務の他、テキスタイルメーカーや化粧品メーカー向けにインテリア、ライフスタイルのトレンド分析を行う。
1999年「シンプルな生活」(日経事業出版刊) 編集協力
町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー東京校 講師
IIDA Professional会員 2008年度 President
Design Association Member
シー・スペース
IIDA日本支部ホームページ
協力:
町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー
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