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Housing Column ハウジングコラム

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第6回
200年住み継がれる健康住宅
平均約30年と、世界的にも短い日本の住宅の平均築後年数を延ばそうと、政府が打ち出した「200年住宅」構想。その実現のためにさまざまな提言が行われ、法の整備が進められています。
長く住み継がれる住まいのために、私たちは何を考えればよいのでしょうか。
今年、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」が閣議決定され、衆議院に提出されました。現在は継続審議となっていますが、これは何世代にもわたって利用できる住宅の普及を促進するための法律案で、耐久性、耐震性、可変性などに優れた超長期住宅、いわゆる「200年住宅」の実現を目指すものです。

「つくっては壊す」から、「いいものをつくって長く住み継ごう」という流れは、エコロジーの観点からも、歓迎すべきもの。一方で、200年住宅というキーワードは、「いい住まいとはどんな住まいか」を考えるきっかけになりそうです。

●「200年住みたい家」は「健康になれる住まい」
200年住宅構想を進める一方で、「1人ひとりが本当の豊かさを実感し、生涯元気で生活できる住まいとはどんなものなのか?」というテーマについて考える国の委員会が、2007年7月に発足しました。その名も「健康維持増進住宅研究委員会」。

少子高齢化、ライフスタイルの多様化、環境問題の高まりなど、急速に変化する社会に対応する新しい枠組みを、産・学・官が協力して打ち出し、住宅業界に新風を吹き込もうというもので、関連する企業からも、大きな注目を集めていいます。

「今まで居住環境の改善というと、シックハウス対策などマイナスのものをいかにゼロに近付 けるかという考えが中心でした。この研究では、マイナスの要素だけでなく、プラスの要素にも目を向け、健康を増進させるような住まいについて、住まい方も含めて考えます。ポジティブに住生活を向上させていこうというのが大きな特色です」。こう語るのは委員会の事務局をつとめる国土交通省住宅局の楢橋康英さん。

健康を維持・増進させる住まいの要素で考えられる例として、下のイラストのような要素があげられています。

「健康に悪い影響を与える要因としては、化学物質汚染などの空気環境の問題、室間の温度差によるヒートショックなど熱環境の問題があげられます。一方、健康にいい効果を与えるものは、キレイな空気、快適な冷暖房や浴室環境、心地よい眠り、子どもが生き生き育つ環境などが考えられます」(楢橋さん)。
住まいの中だけにとどまらず、住まいとつながるコミュニティも研究対象。たとえば長寿や健康と地域社会との関係についても学術的に考えていくそうです。


●「健康な住まい」の評価ツールづくりも
「健康維持増進住宅」とは何なのかを、わかりやすく示すための評価ツールづくりも検討されています。

「たとえばペットを飼う場合、リラックス効果は高まりますが、ダニが増えるなどのマイナス要素も考えられます。一方、全館空調システムをとり入れた場合、部屋ごとの温度差がなくなるのでヒートショックの危険性が低くなるうえ、快適性も高まることが考えられます。こうした個々の要素を一つずつ検討し、それぞれの要素のプラス面やマイナス面を評価し、これをもとに総合的にその住まいが健康にどのくらい配慮した住宅なのかを、ランク付けできないかと研究しています」(楢橋さん)。
委員会では、2009年度末を一つの区切りとして成果をとりまとめることとしています。そして、実際に見て、感じてもらうことで、健康と住まいについて考えるキッカケになればと、全国5~6か所にモデル住宅を建設する構想です。

新たに始まった国の住宅政策によって、健康を意識した住宅や設備は今後ますます増えていくでしょう。住まいを健康基準で選ぶ時代がやってくる日もそう遠くはないかもしれません。

月刊からだにいいこと取材協力/楢橋康英さん
(国土交通省住宅局住宅生産課 企画専門官)
イラスト/かつまたひろこ
制作/からだにいいこと編集部
200年住宅構想とは
少子高齢化による国民負担の増大や地球環境問題、廃棄物問題が深刻化する中、ストック重視、市場重視の新たな住宅政策の基本法制となる「住生活基本法」や、それを受けて自民党から出された「200年住宅ビジョン」を受けて、100年、200年と長く使い続けられる住宅としての超長寿命化、長期利用について、国土交通省において具体的な検討が始められました。
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