My Life,My Style
home>Housing Column>住まいと暮らしのハウジングコラム>稲川的住まいのデザイン・壁も心もバリアフリー - 稲川淳二 (タレント・工業デザイナー)
  • Navi Menu
  • Housing Column
  • ハウジングコラム
  • 専門用語ナットクコラム
  • 雑学探検隊
  • HAPPYジャーナル
  • 番外編 住まいづくりのプロの視点

Housing Column ハウジングコラム

バックナンバー
第 3 回
稲川的住まいのデザイン・
壁も心もバリアフリー
稲川淳二 (タレント・工業デザイナー)
●タレント・工業デザイナーという
   2つの顔を持つ稲川さんのユニーク住宅


 工業デザイナーとして、JRの車掌用発券機や家電用リモコン・車止めなど様々なデザインをし、グッドデザイン賞受賞の経験もある稲川淳二氏。そんな稲川流の住まいの特徴は、「塀がない」「壁がない」「段差がない」!? その理由は?

●塀なし壁なし遠慮なしでみんなが集まる家

 バリアフリーという言葉がまだ一般的になっていない時代に、稲川さんは究極のバリアフリー住宅をデザインしてしまった。その理由は「人の集まりやすい憩える家」にしたかったから。
写真の家が、稲川さんが10数年前に鹿島(茨城県)の海辺に200坪の土地を買い、自らデザインして建てた住宅だ。一見、瀟洒な別荘のような住まいに見える。が、よく見ると、回りには塀がなく外から丸見え。
 さらに家の中も壁が少なく、段差もほとんどないのだそうだ。玄関を入るとドアが1枚あるだけで、あとは「キッチン」兼「リビング」兼「仕事場」兼「寝床」の大きな部屋があるだけ。段差がない作りになっていて、部屋からそのまま32坪あるウッドデッキに出ることもできる。どうしても1人になりたい時や女性がいる場合は2階の部屋を使うが、塀や壁がなく、開放的だから誰もが気軽に遊びに来るのだそうだ。 『他人が集まる家っていうのはいいですよ。例えば居候って言葉、なんか温かい感じしません?』とおっしゃる稲川さん。とかく芸能人は近隣とのふれあいを敬遠するが、稲川さんはまさしくその壁をなくしてしまったのだ。東京での仕事が忙しく、鹿島に帰る機会が少なくなっているそうだが、久しぶりに家に帰るとすぐに近所の人が遊びにくる。塀がないのだから、わざわざ玄関など使わず、ウッドデッキからやってきて「どうも! 明かりが見えたから、あ、稲川さんが帰ってるなと思ってね。」という人も少なくないらしい。またそこがいいのだ。

●壁が無くても自然に廊下や居場所が出来るんですよ

 1階で飲んで騒ぐ人もいれば、何処からか布団をズルズル引っ張り出してきて自分の家のように横になる人もいる。裸足のまんまウッドデッキにでて、そのまま海まで遊びにいってしまう人もいたりする(海が近い)。仕切りがないと不便ではないかと思うが、そうではないらしい。人間というのは不思議な生き物で、大きな部屋のなかに自然に「廊下」や「仕事場」・「ねる場所」をつくり、暗黙のルールが出来るそうなのだ。稲川氏曰く『こっちの方が自然でしょ? 西洋の人は壁をたてて、部屋を区切って屋根をのっけるという発想かもしれませんけど、日本人ってそういう所あるじゃないですか、南の国的なところ。ワタシね、南の国が好きなんですよ』。まさに、稲川さんデザインの住まいは、心の壁も取り払った究極のバリアフリー住宅なのだ。

●住まいで一番大切なこと=その土地の人柄

 稲川さんの出身は東京・恵比寿。今でこそお洒落な街だが、当時は向う三軒両隣が肩寄せ合う、下町風情のある街だったそうだ。『ワタシ、頭の出来はあんまり良くなかったのですがね、挨拶をするのは得意でしたね。朝は知らないオバチャンに挨拶したりして、でもそのオバチャンも毎回必ず挨拶を返してくれる、そんな街でしたよ』という稲川さん。芸能界に入ってから知ったそうなのだが、実はそのオバチャン、ドリフターズの仲本工事さんのお母さんだったとか。稲川さんのお母さんもとてもオープンな人で、バス停に並んでいると5人は友達をつくっちゃうほどの人好きな性格。稲川さんが開放的な家をデザインしたのは、そんな幼い頃の体験があるからかもしれない。
でもいくら開放的がいいとはいえ、セキュリティ面の心配はないのだろうか?
『いやぁ、それがね。近所の人の方がワタシの家のことをよく知っているんですよ。久しぶりに家に帰ると、昨夜、変な人がいたよなんてね。もちろん安全性は色々問題あるでしょうけど、ご近所の目が一番のセキュリティだと思っています』
稲川さんはいう『住まいや暮らしで一番大切なのはその土地の人柄ですよ』と。

●次回は、夢の稲川デザイン住宅

 冒頭の写真を見せて頂く前に、稲川さんの第一声は
『実はこの家、最初は馬鹿な図面書いちゃったんですよ。まず玄関入ると真ん中にボーンってウッドウォークがあって、両脇にドアが7つぐらい並んでるんですね。それがひとつひとつ家なんですよ。わかります? つまり、まるで家の中に家が並んでいる感じですね。面白いんだナァーこれが。』だった。とんでもない事を考えている人だったのだ。次回はそんな稲川さんの次なる住まい計画と怖い家のお話。乞うご期待!(2月10日大公開予定)
タレント・工業デザイナー
1947年(S22)8月21日、東京都渋谷区恵比寿生まれ 血液型:AB
桑沢デザイン研究所を経て工業デザイナー・タレントとして二つの顔で活動。日本テレビ「ルックルック」・NHK大河ドラマ他、多くの番組に出演。平成8年、通商産業省選定グッドデザイン賞「車どめ」を受賞。全国ツアーの怪談ライブも今年、11年目を迎える。
写真をクリックすると拡大表示されます
写真をクリックすると拡大表示されます
Copyright (c) Sumanavi Center All Rights Reserved.