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Housing Column ハウジングコラム

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第 4 回
 常識破り!
稲川流ワンダーランド住宅構想
稲川淳二 (タレント・工業デザイナー)
●温室の中に温泉?
  塀に窓のある家?
   TVスタジオ型住宅?


 もしも次に住まいを建てるなら? という質問を稲川さんにぶつけたら、あのテレビでもお馴染みのマシンガン口調で、住宅のアイディアがあふれるように出てきた。
 「建てたいんですよ次の住まい。例えばね、温室住宅。もう家の中はジャングルみたいになっていて、つまり温室ですね。本物なんです。で、小さな川が流れていて、その川を伝ってゆくと池みたいのがあってね、それが風呂なんですよ。家の中にある露天風呂。ホントは露天じゃないんだけどね。でも面白いでしょ? 当然寝場所もジャングルの中のどこかにあるんでしょうねぇ。それからね、TVのスタジオ型住宅ね。それと‥」
 止めどなくあふれでる稲川ワールドの住宅構想は、まさに常識破り。条件にとらわれず、想像力をふくらませて住まいづくりをとことんまで楽しむ稲川さんの姿勢は、子供の頃、砂場や積み木で家を自由につくった楽しさや、秘密基地づくりを思い出させてくれる。そう、家づくりは夢づくりなのだ。
 出てきたアイディアをザッとご説明しよう。『稲川的TVスタジオ型住宅』とは、家に入るとまさしくそこはスタジオで、家のセットがいくつもある住まい。サザエさんの家のような居間があったかと思えば、定食屋があったり(キッチン)、銭湯(風呂場)があったり‥。いわば家の中が小さな街角になっているイメージだ。「飽きたらセットチェンジするなんていうのもいいでしょ?」と稲川さん。
 もう一つは『塀に窓のある住宅』。家は高い塀に囲まれているのだが、塀のそこここに窓がある。外から覗くと、そこは庭みたいに見えて、オヤジ(稲川さん自身の事だと思います)がリクライニングシートで寝そべって旨い酒なんぞを飲みつつ、窓の外をボーっと見ている。つまりこっちをみている。「あれ? この塀は家の壁なのか?」と思うけど、通りかかったヒトにはその家の全貌はサッパリわからない不思議住宅だ。
 「まずは楽しみたいんですね。自分にとって心地よい空間とか面白い空間って何かってね。馬鹿な考えかもしれないけど、大事だと思うんですよねぇ」
 と、言いつつ、家に関する話が次々と飛びだしてくる。

●開放的な南の島の家が大好き。
  だけどそれを都心で建ててみたいなぁ


 「私の友達がね、インドネシアのバリ島に小さな家をつくったんです。これが良くてネェ」
 それは図面も書かずに地元の大工さんと話しながら作っていった手作り住宅だそうだ。海辺の土地を借りて、まずは材木の太さのリズムにあわせてざっくり家をつくる。次に「ここに窓をつくろう!」と言って穴をあけ枠をつくる。夜になると、そこから月が見えるのだ。しかも窓ガラスはなし。南国の島だからこそ出来る事なのだが、それが妙に心地いいのだとか。玄関などはなく、開いているところからなら何処からでも入れる。稲川さんが行った時もどこからとなく猫がやってきて、例の窓辺で気持ちよさそうに寝そべっていたそうだ。
 そんな開放的な南の島の家が大好きだという稲川さん。ところが、将来は南の島に家を建てたいのかというとそうではない。
 「南の島につくったら出来ますけど、それを都会でやりたいんですよね。だからこそ意味がある。その方が面白いでしょ? 土地が高いからうんと郊外にしか無理でしょうけどねぇ。要するに理想は、ドラエモンの“どこでもドア”があるような家を建てたいんですよ」
 稲川さんは、住まいづくりには2つのタイプがあるという。機能性の住宅と居心地の住宅。どちらが良いという事ではなく、どちらが自分にあっているかが大事なのだとか。稲川さんは後者であり、耐震構造や耐熱・防犯など様々な事の重要性はわかっているが、あえて後回しにして“理想の居心地のいい住まい”を考え、最終的にいかに実現するか詰めていく、そういうスタイルなのだ。

●聞いてみました。怖い家の見分け方

 最後に気になる質問を稲川さんにしてみた。“怖い住宅の見分け方”。
 「わかる人にはわかるかもしれないですねぇ。入った瞬間に居心地の悪い家というのは、あまり良くないですね。人間にも動物にもアレにも磁場があるんですよ。テリトリーって言うのかな」
 稲川さん曰く、3メートル以内に近づくと気に障るアレがいる場合がある。それは良くない。でも互いの磁場がマイナスとマイナスだとプラスになり、それは“気が合う”という事で、まさに気にすることはないのだそうだ。それにアレはよほどじゃない限り、悪いヤツはおらず、中には家を守ってくれるソレもいるので、そう気にすることはないとのこと。
 「中古住宅でも建て売りでも“あ、凄く居心地悪い”と身の毛のよだつぐらい嫌だったら、辞めた方がいいですね。まぁそんな家、アレがいるとかいないとかの前に、住む気にならないと思うので、大丈夫ですよ」
 アレのいるいないも、居心地なんですね。なんだか納得&ホッとするお言葉でした。
タレント・工業デザイナー
1947年(S22)8月21日、東京都渋谷区恵比寿生まれ 血液型:AB
桑沢デザイン研究所を経て工業デザイナー・タレントとして二つの顔で活動。日本テレビ「ルックルック」・NHK大河ドラマ他、多くの番組に出演。平成8年、通商産業省選定グッドデザイン賞「車どめ」を受賞。全国ツアーの怪談ライブも今年、11年目を迎える。
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