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歳時記のある暮らし - 浜 裕子 (フラワー&空間コーディネーター)
第 37 回
歳時記のある暮らし
フラワー&空間コーディネーター
浜 裕子
●歳時記とは
「元旦からコンビニは開いていて、周年を通してたいていのモノ、食材が潤沢に手にはいる便利な時代、すなわち季節感が乏しくなってきている時代だからこそ私たちの生活に歳時記、年中行事をとりいれることは、大きな意味がありそうです。
農耕民族であった日本人は、季節の変わり目、農作業の節目には神を祀ってご馳走を供えました。 節句は、季節の節で、句は、神様に捧げる食事のお供えの供から由来しています。
日本文化の中に息づいた先人からの自然の移ろいに敏感で繊細な日本人の美意識と感性を大切にしながら、現代の私たちの多様化するライフスタイルにあわせて、上手に歳時記のある暮らしをとりいれてみませんか? 今回はお正月から始まる1月の行事について初春を楽しむ食空間のポイントをご紹介いたします。
●お正月
お正月は、1年間家を守ってくれる歳神さま (お正月様) を迎え、新年の豊穣を祈り、1年の始まりを祝う行事です。お正月飾りには、福をもたらしてほしいと願う「招福」と災いを打ち祓う「壌災」の二つの願いを込められています。
・初詣
かつては元旦だけでしたが、現在は松の内(1月7日まで)にお参りすればよいことになっています。
・お屠蘇
屠蘇は邪気を祓って、1年間の無病息災の願いをこめた薬酒。年少者から年長者の順でのむ。写真のような大中小の三つの重ねの屠蘇器がなくても徳利に水引をまくとか、シェリーグラスで屠蘇をいただいても モダンに演出できます。
・おせち料理
節句に神に供える供物からきた言葉でお正月の料理を意味するようになりました。組重といって、四季をかたどった四段の重ねの重箱に詰めるのが正式。一の重には、口取り、二の重には、酢の物、三の重には、煮物、与の重には、焼き物と縁起のよい具材を詰めていきますが、オードブル感覚で、カナッペや、サンドイッチを詰めてもいいでしょう。お重を花重膳にしてもサプライズのある演出に。
・雑煮
元旦の朝、屠蘇を飲んでから雑煮を食べる習慣。 餅は、ハレの食事でもあり、お箸は、柳の白木の両細のものを使います。箸袋には、家族それぞれの名前を書くところもあります。雑煮は、雑多に煮込むものなので、新感覚で、たとえば、洋風のオニオンスープにおもちをいれても美味。
●人日の節句 (1月7日)
五節句の一つの人日の節句は、中国の節句と日本の若菜摘みが組み合わさった風習で7種菜を食し、無病を願う行事の日です。正月料理で疲れた胃を休める効果も。春の七草 (せり、なずな、ごぎょう、はこべら、すずな、すずしろ、ほとけのざ) の変わりにキッチンでの栽培も楽なミントやオレガノ、ローズマリーといったハーブを使ってリゾットもいいかもしれません。
●小正月 (1月15日)
元旦を大正月というのに対して15日を小正月といいます。地域によっては女正月、上がり正月、戻り正月、花正月ともよばれています。元旦は、海外のリゾートや、ホテルで過ごされた方は、ぜひこの小正月に歳神さまを迎えて正月の室礼をたのしんではいかがでしょうか? 小豆粥を食べる習慣もあり、これも1年病気をしないという言い伝があります。魔よけの色である赤の小豆をいれるのがポイントです。赤という色は、東西問わず、邪気を祓う色とされています。
歳時記のある暮らしは、不思議と生活の中に、特別な日のハレと日常のケのメリハリができ、1年に一度を楽しむこと、季節の移ろい、自然と深いかかわりのある生活が、より心豊かな生活を求めて育んできた美しい風習であり、明日への暮らしを幸せにつなぐためにつちかってきた先人たちの知恵の賜物であることに気づきます。
次回は、2月の歳時記のなかでホームデコレーションについてお話しいたします。
写真をクリックすると拡大して解説文章が表示されます。
フラワー&空間コーディネーター
英語、日本語講師を経て、フラワー・インテリア・テーブルコーディネートをはじめ旅館・ホテル・レストラン等での空間演出及び社員教育、パーティー、イベント、広告等の企画、演出を手掛けている。商品企画、地場産業活性化にも意欲を燃やし、ショッププロデュース、店舗リノベーション企画を手掛ける。和と洋の融合、精神性の高いデザインをテーマにライススタイル提案に取り組む。大学、各種専門学校、キャリアスクールの講師、講演等行う。花のある暮らし、生活空間をアートすることをコンセプトに「花生活空間」主宰。幸商事株式会社代表取締役。共著に「テーブルコーディネーターの仕事」(優しい食卓出版部)「フラワー&テーブルコーディネーター養成講座」開催。
月刊「フローリスト」にて「花のテーブルコーディネートレッスン」連載中
花生活空間
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