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Housing Column ハウジングコラム

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第 59 回
バリアフリーリフォームが
なぜ大切なのか (上)
河名 紀子 (ハウジングジャーナリスト)

●4月から新バリアフリー改修減税が適用


 今年度 (平成19年度) 税制改正の目玉の一つは、「住宅のバリアフリー改修促進税制」(以下、バリアフリー改修減税と略) です。団塊世代が大量退職することに伴い予想される2007年問題を背景に、適用対象者も50歳以上とし、本格的な高齢化を前に団塊世代の退職金をバリアフリーリフォームに有効に使ってもらいたいという狙いがあるのは言うまでもありません。

 実はこれまでも、バリアフリーリフォームをすれば従前の「増改築等にかかる住宅ローン控除」が適用できました。しかし、住宅ローン控除の対象となるためには「工事費用100万円超」「住宅ローン償還期間10年以上」という大規模工事にしなければならず、手すりを設けたり段差解消といった比較的中規模な工事では対象にならない……という現実がありました。
 
 そこで少額の工事費やローンの償還期間が短くても控除が認められるように、という意図で設けられたのが、今回創設されたバリアフリー改修減税 (工事費30万円超、償還期間5年以上) です。もちろん、従来の住宅ローン控除制度と選択制。税制改正でローン控除も「10年間控除」と「15年間控除」との選択制に分かれたため、バリアフリー改修で減税を受けようと思ったら、全部で3つの選択肢があるということになります。適用となる人や工事費用などの条件が異なるので、違いが分かるよう比較表をつくってみました。

バリアフリー改修工事で使える減税は以下の 3 つ!
詳しくは、国土交通省ホームページをご覧ください。

●バリアフリーリフォームとは?


 では、そもそもバリアフリーリフォームとはどんなリフォームを指すのでしょうか? バリアフリーというと、いわゆる「段差をなくす」「手すりの設置」といったイメージがありますが、最近の少子高齢化やライフスタイルの多様化によって、「どういう生活動線にしたら効率的に生活しやすいか」といった間取り変更なども含めた広義的な使い方もされるようになってきました。
 
 また一方で、高齢者や障害者のための設備として限定されがちだった「バリアフリー」という枠を超えて、子供や妊娠中の女性も含めたすべての世代にとって生活しやすい「ユニバーサルデザイン」という考え方も広まりつつありますが、今回は「高齢者のためのバリアフリー」という狭義に限定したうえで紹介したいと思います。
 
 一般的に「住宅のバリアフリー化」といった場合に挙げられるポイントは、高齢者のための設備として (1) 手すり2箇所以上 (2) 段差のない室内 (3) 廊下等が車椅子で通行可能--の3つがあります。

主なバリアフリー化のポイント
段差の解消 居室 (居間・台所・食事室・寝室等)、トイレ、洗面所、玄関、廊下などの段差が解消されている
部屋の配置 高齢者などの寝室のある階には、トイレが設置されている
住宅内の階段 一定の踏面 (幅) が確保され、蹴上 (1段の高さ) は一定以下。滑りにくい仕上げになっており、回り部分がある場合は、その形状が昇降しやすいように配慮された形となっている
手すり 浴室やトイレ、階段には手すりが設置されている
通行幅の確保 廊下や各居室などの出入り口の幅は、車椅子でも通れるよう一定の幅が確保され、滑りにくい仕上げとなっている
浴室 一定の広さが確保され、縁はまたぎやすい高さになっている
トイレ 暖房機器などを設置できるよう、コンセントが付いている
フットライト 階段や廊下などにフットライトがついている
緊急ブザー トイレや浴室に非常用の緊急ブザーが設置できる構造になっている

●バリアフリー改修減税もローン控除も平成20年末まで


 しかし、せっかく新しく創設された「住宅のバリアフリー改修促進税制」にしても「住宅ローン控除」にしても、あと1年足らずの命。平成20年12月31日までの入居 (改修) をもって廃止される予定です。平成20年春には消費税引き上げも囁かれており、バリアフリーのリフォーム・増改築をするなら、今年~来年の判断が一つのカギとなりそうです。
 
 次回はなぜバリアフリーリフォームが大切なのか、その背景について解説します。

ハウジングジャーナリスト
上智大卒。東京新聞ならびに住宅業界紙の記者、住宅業界誌編集長を経て、現在は住宅雑誌やサイトで住宅関連記事を執筆。オールアバウト「家づくりトレンド情報」公式ガイドを務めるほか、住まいの達人ブログ「スマッチ!」、不動産情報ポータルサイト「リフォームHOME'S」、子育てと住まいを考える「gooベビー」などでもコラム連載中。
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