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Housing Column ハウジングコラム

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第 64 回
未来予想図を描こう!
香取 玲子 (ファイナンシャルプランナー)

 少し前になりますが、年明けにテレビ放映されていた『バブルへGO!!』という映画を観ました。2007年に開発されたタイムマシンを使って、1990年の東京に広末涼子演じる未来人を送り込み、土地の高騰を抑えるため金融機関の不動産向け融資を制限するという行政指導を止めさせて、バブル崩壊を食い止めるというSFめいたストーリーです。その内容はともかく、誇張気味の描写で笑いを散りばめた映像から狂喜乱舞ともいえる“あの時代”を思い起こし、お化粧やファッション・音楽など懐かしみつつそれなりに楽しむことができました。
 当時金融機関に勤めていた私は、高齢のお客様の金利が6%を超える定期預金の受取利息額から、「5千万円あれば働かなくても生活していけるんだ。」と羨ましく思っていたものです。ましてや年金は当然貰えるものと疑いもしませんでしたから・・・
 しかし、ということはすなわち貸出金利はそれ以上、なんと住宅ローンの変動金利は8.5%という今では考えられない数字にまで上昇したのでした。とりわけ第一次住宅取得者の主流である現在30代の方々は、近年の長期に及ぶ低金利に慣れきっているため実感が伴わないことでしょうが、今後、金利が上昇することはまず念頭に入れておかなくてはなりません。
 長い返済期間中に、社会情勢や経済・金融を取り巻く環境がどのように変化していくのかは予想しがたいものです。そこで、これから住宅ローンを利用しようとする方にぜひ“体験”していただきたいことがあります。

●未来へのタイムトラベル

 総予算や自己資金・借入金額の内訳といったおおまかな資金計画がみえてくると、さて金融機関はどこにしようか? 変動金利か固定金利か? などの借入条件の細部にとらわれがちですが、その前にまず借入後の“わが家”の将来をイメージしてみましょう。

1.シナリオを書こう

 初めに、家庭内で予測できる収入や支出に影響する事がらをピックアップします。
例えば 1年後から3年間出産・育児休暇を取得する
専業主婦だった妻が7年後に就労する
60歳で定年退職により嘱託勤務予定
というように、その時期と併せて予想してみるのです。
 支出面では、出産・親との同居など家族構成の変化や子供の小・中・高校・大学進学・自立などが考えられます。自己啓発や趣味に係わること、海外旅行・車の購入といった要望も組み入れてみたいですね。

2.羅針盤を持とう

 ライフプランを立てたら次に、これらに関する概算金額を想定していきます。
 例えば 年収○○%減少・○○万円増加・一時的収入○○万円というように、実際に金額を見積もってみるのです。
 また、今までの出費に加えて住宅を得ることで新たに必要となる費用 (税金・火災等保険料・維持管理の経費など) も出てきますから、今後の家計支出を見直す必要があります。教育費は、日本政策金融公庫の調査結果や学資保険を取り扱っている保険会社などで出している統計を参考にしてみると良いでしょう。どのような進路を選ぶかによって、かかる費用は大きく異なってきます。
 予想してみた家計収支を1年ごとに集計して一覧表にまとめます。

3.軌道を描こう

 最後に、ライフプランに応じて作成した収支予想表をもとに、住宅取得後の家計の動向(キャッシュフロー)をシミュレーションしてみます。その結果赤字が見込まれるような場合には、問題点を洗い出し対策を講じなければなりません。時系列的に見ることで、それが一時的なものか根本的に無理があるのかが判ってきます。万一貯蓄が底を尽くようであれば、残念ながら住宅取得計画そのものを再検討しなければならないということもあるでしょう。いくつかのパターンで将来を描いてみてください。
 
 1年間の収入を燃料タンク1本分と考えた場合、タイムマシンにどのくらいの容量のタンクを何本積んでいくことができるのか? そしてその燃料をいつどれだけ使用していくのか? を事前に把握しておかないと、明るい未来へ到着することはできません。健全な返済計画をたてて、マイホーム実現へ向けての快適な旅をスタートさせましょう。

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●キャプテンはあなたです

 晴海デザインセンターでの住まい作りの資金相談の中で、既に金融機関のローン承認を得て意気揚々とライフプランに応じた家計のキャッシュフローをシミュレーションされたにもかかわらず、その結果に肩を落とされるといったケースは少なくありません。なぜなら、ローン審査はあくまでも借入時点の状況から判断されているに過ぎないからです。また、この審査基準となる返済比率(年収に対するローン返済額の占める割合)はあくまでも貸し手側が定めた物差しであり、本人の年齢や家族構成、消費性向といった個々の事情は全くといっていいほど反映されていません。だからこそ将来を予測しながら自分なりのプランをたて、自分の借入が無理のないものであるかどうかを自分自身で判断しなければならないのです。
 マイホームを正真正銘手に入れるための『住宅ローン』という旅は借入金額がゼロになってゴールインです。目的地を定め、どのようなルートをたどっていくかを決めるのはあなた自身です。
 
 映画の中で主人公が「バブルって最高~!」と叫ぶ場面から思わず「ドラえも~ん!」と叫ぶのびた君を連想してしまいました。私たちもタイムマシンにお願い♪して未来を伺い知ることができたら・・・
 残念ながら今のところは自分自身でオリジナルの未来予想図を描くしかないようです。

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