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Green Life のススメ 2 - 細井 絵理子 (インテリア・デザイナー)
第 70 回
Green Life のススメ 2
インテリア・デザイナー
細井 絵理子
地球温暖化や原油高に関するニュースが連日報じられ、「エコ」というキーワードが新聞や雑誌、テレビといった多くのマスメディアで毎日のように取り上げられています。報道の中には、危機感だけを煽るような内容も見受けられ、私たち一人一人がすぐに取り組める解決策の提示が少ないという見方もあります。そのようなバランスを欠いた情報が氾濫する中、不安はあるけれど何から始めたら良いかわからない、と感じている人は少なくないのではないでしょうか。
前回、エコに関する新しいキーワードとして、インテリア・建築業界で「Green/グリーン」という言葉が注目されていることをご紹介しました。今回はその実践編です。気軽に始められるGreenな活動と共に、これからの新しいライフスタイルキーワード「Green Life」についてご紹介しましょう。
●気軽に簡単にGreenを実践するには?
青山のGREEN House内のギャラリーで開催された「GREEN+ART展」
建築・インテリアデザイン業界におけるGreenへの試みについては前回のコラムでご紹介した通りですが、もっと簡単にすぐに始められる身近なGreenはないのでしょうか?
建物を一から設計、建築しなくともGreenをコンセプトとして内装デザインやデコレーション、ガーデニングなどでもっと気軽にGreenを実践出来るはずです。そこで、ここではそのヒントとなるプロジェクトや方法をご紹介しましょう。
●エネルギー消費を抑えてくれる内装材や器材、色の使用
日本の夏は高温多湿。そのため夏はエアコンや除湿器がフル稼働します。それらの使用頻度を抑えるために調湿効果や断熱効果が高い内装材を壁や天井に使用しましょう。調湿効果の高いタイルや珪藻土、漆喰を用いた塗装やクロスが有効です。また、視覚的に体感温度を下げることも可能です。ガラスや金属製の家具やオブジェ、寒色と言われる青系の色彩を使うことでクールなイメージのインテリアとなり、体感温度を下げる効果があります。
照明も重要です。近年、白熱灯を用いた暖かみのある照明効果、演出法が多く紹介され、照明計画にこだわりを持つエンドユーザーが増えてきましたが、一方、その消費電力の大きさが問題にもなってきました。一般的な白熱灯と比較すると同等の明るさが得られる蛍光灯では、その消費電力が1/3~1/5に軽減出来ると言われています。電球色といった白熱灯に似た色温度を持つものや、電球のようにコンパクトになった形状のものなど商品バリエーションも増えています。器具本体を取り替えなくても蛍光灯に切り替えることが可能なものも多くなりました。環境問題に積極的に取り組むオーストラリアやヨーロッパでは近く白熱灯から蛍光灯へ切り替える政策がとられると言われています。日本も例外ではないでしょう。すぐに始められる小さな一歩として、ご自宅でも試してみませんか?
●緑が持つ自然のパワーを建物に取り込む
植物が持つクールダウン効果や二酸化炭素の吸収については様々なメディアでも紹介されていますから、既にご存知の方も多いと思います。大きな庭がなくても植物を室内外に取り込むことによって様々な効果が得られるのです。
まずは室内。観葉植物がなんとなく床に置かれているだけ、というお家は意外と多いのではないでしょうか。観葉植物も重要なインテリアアイテムのひとつ。是非、鉢や置く場所にこだわって、素敵に飾って活かしましょう。
青山の「GREEN House」で開催された「GREEN + ART展」では観葉植物とアート、テーブルスタンドをインテリアのプロ5人がデコレーションしています。壁面を飾るウォール・デコレーションのテクニックと共に、観葉植物とアートの組み合せ方、テーブルクロスの掛け方を見ることが出来ます。
コーディネーション by
c//space 細井絵理子
コーディネーション by
ing design 主宰 前田久美子
コーディネーション by
R Design 松本恭子
コーディネーション by
ic.press 深澤組個
コーディネーション by
(有) 総合デザイン研究所
代表取締役 若生洋子
次に屋外。屋上緑化だけではなく、壁面を緑化したグリーン・ウォールに注目が集まっています。私が初めて大掛かりな壁面緑化を見たのは2005年、パリ8区のホテル「pershing hall」。アンドレ・プットマンデザインのクールなそのホテルは、客室も素敵ですが何より圧巻だったのが中庭です。約30メートルにもおよぶ壁面を覆う多種多様な植物は圧倒的な存在感で見るものに迫ってくるようでした。小鳥が舞い木漏れ日が射すその中庭での朝食。都会にいることを忘れさせる不思議な空間を今でもよく覚えています。そして2006年、プリミティブアートのコレクションで世界中の注目を集めオープンしたMusee du Quai Branly (ケ・ブランリー美術館)。ここではGreenのコンセプトの基、野菜を植えたガーデンや大きな壁面緑化が採用され、収蔵品だけでなくその建築やインテリアにも大きな注目が集まりました。
写真をクリックすると拡大します。
そして日本では? ここ1、2年で壁面緑化をしている物件に幾つか出会うようになってきました。例えば白金台にあるエイチケイ プラス モード 白金プラチナ通りショールーム。ここではビルの壁面に約50種類の植物が植えられ、太陽の日差しや通りを吹く風を一杯に浴びて植物が生き生きと茂っています。驚くのはそれらが普段街中やフラワーショップで見られる一般的な植物だということ。環境変化に強い植物であれば、花が咲くもの、葉を楽しむもの、様々な植物を植えることが可能なのです。お手入れについても様々な工夫が施され、以前のようにメンテナンスで苦労することは少なくなってきたようです。バルコニーや壁面を利用すれば広い敷地がなくても植栽を楽しめ、環境にも貢献出来る。都会での壁面緑化には大きな期待が持てそうです。
●Green Lifeに取り組みましょう!
このように、大掛かりなプロジェクトだけではなく、身近なところからGreen活動を実践することは出来ます。そしてそれを義務ではなく、都市生活を楽しむ21世紀の新しいライフスタイルとして捉えれば、より多くの人にとって魅力的なものとなるでしょう。都会でも楽しく環境に優しい継続的な活動は出来る。そう考えて、肩肘張らずにGreen Lifeを楽しんでみませんか?
エイチケイ プラス モード 白金プラチナ通りショールーム (東京都港区白金台) の壁面緑化
一昔前、エコ商品というと装飾性に乏しく、あまり魅力的に見えないリサイクル素材が多くを占め、その上、価格は高いという状況が続いていました。でも今は違います。多くのアーティストやデザイナーがリサイクル素材を用いて作品や商品を発表し、各種メーカーからも魅力的なアイテムが登場しています。私たちがそれを選び、使うことでGreen Lifeは経済活動として成立します。今は、オーガニックの食材をインターネットで手に入れる時代。現代社会の利便性を享受しながらも、環境に配慮した生活は少しの気配りと努力で実現出来るのです。
まずは気づくこと。そこからGreen Lifeは始まるのではないでしょうか。
協力:
エイチケイ プラス モード
(日比谷花壇)
GREEN House
インテリア・デザイナー
東京都生まれ。1990年文化出版局入局。雑誌「ハイファッション」のファッションぺージ担当。
デキャン社 (仏) のデザイナーのインタビューを機にインテリアの道へ進むことを決意。出版局を退局後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーでインテリアを学び、建築会社に入社。住宅のリフォーム、オフィスビルの改修を中心に手がけた後、1998年独立。
2000年インテリア・デザインオフィス「c//space」設立。個人邸や店舗のリフォーム、オフィスの内装デザイン、インテリアメーカーのカタログのスタイリング等のデザイン業務の他、テキスタイルメーカーや化粧品メーカー向けにインテリア、ライフスタイルのトレンド分析を行う。
1999年「シンプルな生活」(日経事業出版刊) 編集協力
町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー東京校 講師
IIDA Professional会員 2008年度 President
Design Association Member
シー・スペース
IIDA日本支部ホームページ
協力:
町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー
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