My Life,My Style
home>Housing Column>住まいと暮らしのハウジングコラム>和の魅力再発見。日本のマテリアルとデザイン - 細井 絵理子 (インテリア・デザイナー)
  • Navi Menu
  • Housing Column
  • ハウジングコラム
  • 専門用語ナットクコラム
  • 雑学探検隊
  • HAPPYジャーナル
  • 番外編 住まいづくりのプロの視点

Housing Column ハウジングコラム

バックナンバー
住まいと暮らしのHousing Column
HOUSING COLUMN

写真はクリックで拡大し
詳細をご覧いただけます。

第 78 回

和の魅力再発見。
日本のマテリアルとデザイン

インテリア・デザイナー
細井 絵理子

 インテリアのトレンドを見るならココ!と言えるような影響力のある展示会が世界にはいくつかあります。その中でも、家具だけではなく、ファブリックや小物まで多くのアイテムの傾向が見られる展示会として私が最も注目しているのが、フランスのパリで開催される「Maison & Objet(メゾン・エ・オブジェ)」(以降M&O)です。そのM&Oでここ数年、継続して登場している柄の傾向に「和柄」があります。

 さて、なぜ、和柄なのか。そしてこれは以前ブームとなったオリエンタルやZENとは違うのか?世界で注目される「日本」のデザインについて改めて目を向けてみましょう。

*

「和柄」をモダンにこなすのが粋!

 世界のインテリアファブリックメーカーの中でもトップクラスのメーカーが新作を発表する場として注目される1月開催のM&O。ここ数年、和柄や畳などの日本を思わせるデザインが立て続けに発表されました。

* 特に顕著だったのが2007年。数ある新作の中で最も多く目を引いた柄は「梅の花」でした。他にも笹、菊、牡丹、松、提灯、かすりの着物のような幾何柄など、着物や陶磁器、漆器の柄に見られるような日本的モチーフで会場は溢れていました。なぜこんなに?と思わずつぶやいてしまうほど多くのブランドで見られた和の柄は、単純に従来からある「日本趣味」ではくくれない新しい“和の魅力”を私たちに示してくれていました。それはNeo Japanesqueと呼ぶにふさわしい新しい和の魅力だったのです。

*

*

*

*

M&Oコレクション(2007)
M&Oコレクション(2007)写真1
M&Oコレクション(2007)写真2
M&Oコレクション(2007)写真3
M&Oコレクション(2007)写真4

熱い視線が注がれる日本の文化と伝統

 あまりにも多くの梅柄を目にした2007年は、正直「なぜ?」という思いが強く、果たしてこの柄が日本でそのまま受け入れられるだろうかと疑問でした。事実、日本ではそれほど大きな話題にはなりませんでした。しかし、翌年、再びパリで多くの和のデザインに出会い、これは以前のオリエンタルブームとは少し様子が違うぞ。と実感したのです。通常、あれだけ多くの和柄が登場した翌年に、再び同じテーマの柄を見ることはありません。しかし、2008年も多くの和のテーマが見られたのです。
 この年は家具や壁紙など他の素材にそれらがモチーフや素材として使用されていました。たとえば「IKEBANA」と名のついた真っ赤なキャビネット、い草を用いた畳を思わせる壁紙などがそれです。もちろんファブリックでも和柄は健在でした。着物や浴衣の柄をそのまま持ってきたかのようなカーテン生地などが人気のブランドで多く見ることが出来ました。
 この背景にあるのは、日本の文化・伝統への大きな関心と理解です。インテリアでは先にご紹介した様々な日本的モチーフの多用の他、パリやイギリスでここ数年人気となっているお風呂(浴槽と洗い場を分けるスタイル)や布団、畳といった日本式の生活スタイルへの高い関心があります。そしてインテリア*以外の分野でもそれは顕著に現れています。お寿司をはじめとするヘルシーでおいしい日本食のブーム。漫画やアニメなどの若者カルチャーの人気。TPOを重んじる欧米では生まれなかった、ノンルールのMIXレイヤーファッションなど、衣食住のすべてのジャンルで日本スタイルが高い関心を集めているのです。

日本の文化やデザインを再発見!

 海外で評価されることによって、国内でも改めて注目される。日本ではよく見られる現象ですが、インテリアの世界でもその動きが見られます。和柄を西洋式生活スタイルの中にどう取り入れるか、これは海外のデザインをヒントに私たちも学ぶべきところが多くあります。たとえば襖絵。和室の減少と共に伝統的な襖紙は衰退の一途をたどっています。しかしそれをアートやアクセントウォールとして壁面に活用してはどうでしょうか?同じように使われなくなった障子。そこで使われていた和紙は今どうなっているのでしょう。福井市では地場産業である繊維と和紙の職人さんがコラボして布に和紙を漉き込んだ新しい素材が誕生しています。限定された使い方しか出来ないと思われていた素材も進化し、魅力ある新しいインテリア素材として再生しようとしているのです。
 このような流れを受け、空間をデザインする私たちデザイナーの意識も少しずつ変化してきています。私たちが住まう日本には奥深い魅力に満ちた伝統、文化、素材があります。今、それらにもう一度目を向け、活かす時にきているのです。

M&Oコレクション(2008)
M&Oコレクション(2008)写真1
M&Oコレクション(2008)写真2

プロフィール

インテリア・デザイナー 細井 絵理子

東京都生まれ。1990年 文化出版局入局。雑誌「ハイファッション」のファッションぺージ担当。
デキャン社(仏)のデザイナーのインタビューを機にインテリアの道へ進むことを決意。出版局を退局後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーでインテリアを学び、建築会社に入社。住宅のリフォーム、オフィスビルの改修を中心に手がけた後、1998年独立。
2000年インテリア・デザインオフィス「c//space」設立。個人邸や店舗のリフォーム、オフィスの内装デザイン、インテリアメーカーのカタログのスタイリング等のデザイン業務の他、テキスタイルメーカーや化粧品メーカー向けにインテリア、ライフスタイルのトレンド分析を行う。
1999年 「シンプルな生活」(日経事業出版刊)編集協力
町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー東京校 講師
IIDA Professional会員、Design Association Member

http://www.iida-japan.jp/index.html

協力:町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー

ページTOPへ
Copyright (c) Harumi Design Center All Rights Reserved.