- 第 102 回
オーガニックな家庭菜園、
はじめませんか?
小島 理恵
私たちに身近な食品や化粧品の世界では、最近、安全・安心なものへの関心の高まりとともに、「オーガニック」という言葉を、よく耳にするようになってきました。また、緑のカーテンや家庭菜園などが注目されるようになってきており、ご自分で野菜や植物を育てておられる方も多いことでしょう。
ところで、皆さんのお庭は、オーガニックですか?
オーガニックな庭とは、化学農薬や化成肥料を使用せず、天然由来の物質のみを使用している庭のことです。例えば、日頃の病害虫防除に、炭をつくる際の副産物である木酢液を利用したり、土壌改良剤として落ち葉の堆肥を利用したり、肥料として油粕を使用したりします。
筆者は日頃、一般の方の園芸に関する相談にお答えすることが多いのですが、「農薬を使わないと、虫が増えて困るのではないか?」とか、「病気が出たら、どうすれば良いのか?」といったことを聞かれます。
さて、皆さんは、もし、ご自身で育てている植物に害虫がついてしまったら、どのように対処されますか?とりあえず、ホームセンターへ行って、店員さんにすすめられた殺虫剤を散布しますか?
例えば、アブラムシには天敵のナナホシテントウがいます。強力な殺虫剤を使ってしまうと、アブラムシはもとより、ナナホシテントウまでも殺してしまうことになってしまいます。また、場合によっては、水鉢で飼っている金魚やメダカなどにも影響を及ぼしてしまう場合があります。
皆さんもご存知のとおり、自然界は、食物連鎖で成り立っていますね。植物は、太陽の光を浴びて光合成をし、動物たちに酸素を供給してくれます。また、草食動物は、植物を食べ、その草食動物を肉食動物が食べます。動物達の排泄物や死骸、植物の落ち葉などは、土壌微生物が分解し、その分解された成分を、植物が養分として利用しています。
小さなお庭やプランターでも、「植物」→「植物の樹液を吸うアブラムシ」→「アブラムシを食べるテントウムシ」→「テントウムシを食べる両生類や爬虫類」→「それらの排泄物を分解する土壌微生物」といった流れで、実は小さな生態系が営まれているのです。
ですから、それぞれの役目を果てしてくれる虫や動物たちの、居心地の良い環境を整えてあげれば、ある特定の害虫が増えすぎて困るということがなくなります。
また、植物には、日なたで乾燥した気候が好きなものや、日陰で湿度の高い環境が好きなものなど、それぞれの特性があります。例えば、日なたが好きな植物を、日陰に植えてしまうと、丈夫に育たず、病気にかかりやすくなってしまいますし、日陰が好きな植物を日なたに植えてしまっても、同様です。ですから植物を、それぞれに適した環境に植えてあげることで、植物を健康に育てることができ、結果的に病害虫を予防することにつながっていきます。
このようなことを頭に入れながら、家庭菜園をはじめてみませんか?また、これまでやられていた方も、植物が植えられている環境や、使用している薬剤などを、もう一度見直してみませんか?
「植物を育てようと思っても、いつも枯らしてしまう」という方や、「今まで、植物を育てようとしたことがない」といった方でも大丈夫。まずは、食べられる植物から挑戦してみましょう。収穫の楽しみに向かって、きっといつも以上に、こまめに手入れをされることでしょう。
また、家庭菜園では、栽培が簡単なプチトマトやナスなどがポピュラーですが、筆者がおススメするのは、ハーブ類。1回に使用する量は少量だけれど、イタリア料理などには欠かせないローズマリーやタイム、そして夏場に大活躍してくれるシソや青ネギなどの日本のハーブを、自宅で育てておくと、とても便利です。また、これらのハーブ類は、乾燥や病害虫に強いので、水やりやお手入れも簡単です。
丈夫で簡単な品種からはじめて、オーガニックな家庭菜園上級者を目指してみてはいかがでしょうか?
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