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【色々な色のはなし】
第 15 回
【色々な色のはなし】
皆さんはお医者さんが着ている手術着がなぜ青緑色なのか知っていますか?
まずは実験です。真っ赤なりんごをしばらく見つめてください。その後、右の白い面に視線を移すとぼんやりと青緑色が見えてくると思います。
幻は見えましたか?
これは、赤の心理補色の青緑が残像となって見える現象で【補色残像】と言います。
【補色】とは、色の表し方のひとつであるマンセル表色系による【色相環】で正反対の位置にある色同士の関係のことを言います。
手術室の壁やお医者さんの手術着を白色にすると赤い血液を見続けるために青緑の残像が幻のように見えてしまいます。この幻によるちらつきを防いで手術に集中できるようにするために青緑色になったのです。
このように当たり前のように見ている色ですが、好き嫌いとは別に人の心理に配慮されていたり効果を図ったりと意図的に使われることもあります。
マンセル色相環
住まいの中においては、床、壁、天井、家具、カーテン、ソファ、ベッドカバー等に使われている色がそれらに囲まれて暮らす人の気分も変えてしまうような大きな影響を与えます。人が色から受ける影響を知ることで住まいづくりでの色使いを楽しんでいただけたらと思います。
●白と黒の碁石、大きさが違うの?
碁石は黒の方が少し大きくできているのはご存知ですか?
同じ大きさにすると人間の眼の錯覚(水晶体のメカニズム)によって白の碁石の方が大きく見えてしまうからです。
白い丸の方が大きく見えませんか?
黒は【収縮色】の一つで実際より小さく見えます。また白は【膨張色】の一つで実際より大きく見えます。色の膨張・収縮は、色の明るさに大きく左右されます。
通常【色相環】による【寒色系】は【収縮色】と言われ、【暖色系】は【膨張色】とも言われていますが、【寒色系】であっても明るい色は、【暖色系】の暗い色より大きく見えます。さらに、背景色によっても影響を大きく受けます。
住まいでのポイント
【収縮色】である暗い色を使う場合は、広い面積で使うと圧迫感があり狭く感じるのでできるだけ面積を小さくし、お気に入りの家具やクッションなど「目立たせたい物」に使うと良いでしょう。
【膨張色】である明るい色を使う場合は、壁や天井など広い面積で使うとより明るく開放感のある空間になります。また「目立たせたい物」の背景色として使うにも良いでしょう。
●みかんのネットはなぜ赤色?
【色相環】でお隣り同士の色を並べるとお互いに影響し合って似通った色になってしまうことを【同化現象】といいます。柄が細かければ細かいほど色の同化が進みます。
みかんが赤いネットに入っているのは橙色がより一層引き立つこの現象を利用して美味しそうに見せようとしているからです。
住まいでのポイント
<カーテンを選ぶ時>
2色の細かい柄の場合は、2色が歩み寄って1色のように見えてきます。同じ色でも大きな柄の場合は、2色がそれぞれ独立してメリハリのある柄に見えます。あなたが求める部屋のイメージに合わせて使い分けましょう。
あなたの好みは?
●青が見えてない?
加齢とともに青系の感度が低下していきます。これは眼の水晶体が黄色に濁っていき、短波長の青い光を吸収してしまうからです。黄色いフィルターを通して物を見ている感じです。これを「白内障」と言います。老化現象の一つですからどなたにとっても起こり得ることですが、「白内障」の始まりや進み方には個人差があり少しずつ進行していくので自覚する人はほとんどいません。かなり進むと最後には明暗しかわからなくなります。視力を回復するには手術をすることになりますが、手術によって初めて本来の空の色を再認識するのです。
こんな感じでしょうか?
住まいでのポイント
青色を使う場合は隣り合う色を明るめにすることをお薦めします。
特にご家族に白内障や高齢の方がいらっしゃる場合は、床と壁の境目や段差など危険を伴うところには配慮が必要です。濃淡をハッキリさせることによってすぐに違いが認知できるからです。ちなみに赤系の色の見え方は変わらないと言われていますので目立たせたいと思うところには赤を上手に使うと良いでしょう。
●光の種類と色の関係
スーパーマーケットで新鮮なまぐろのお刺身を買って来て、いざ料理を始めようと広げてみると思いのほか灰色がかっていた、なんてことありませんか?
スーパーマーケットでは、まぐろの赤身がより強調されるように、照明によって工夫されているからです。一般家庭での流し台の蛍光灯では店頭で見たほど赤みが感じられないのです。
また美容院でカラーリングをしたりデパートでお気に入りの洋服を買って外に出かけた時、太陽という自然光に照らされて初めて本当の色が分かります。またその形状や質感も強調されより立体的に見えます。
このように物の色は、照らす光や人間の眼によっても見え方が変わってきますので、住まいづくりにおいても、トータルに検討する必要があります。壁紙やカーテン、家具などの色を決める時は、照明によって色の見え方が違うことにも気を付けましょう。
ご自分が望むお部屋のイメージを基準に、色がもたらす効果を活用して、快適な住まいを作りましょう。
色の効果にまつわるお話しは、まだまだ続きます。次回をお楽しみに!
[住まいのナビゲーター 大谷みどり]
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