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第 64 回
【素材あれこれ】
住まいを考えたり、住まい作りを進めていると、様々な素材に出会います。そんな素材の中、『木』は天然素材ゆえの味や温かみを感じる素材として、特別な親しみや好感を抱く方が多いと思います。その一方で、種類の多さや性能の違いから、選び方の難しさを感じる方も多いのではないでしょうか。-木のはなしー |
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木の性質 (比重・強さなどの物性) は、様々な計測の結果を数値で表わすことができます。しかし、素材としての表情や質感についてはどうでしょう?表情や質感を言葉でうまく伝えるのは難しいものです。色や艶、模様や感触などの特徴は、目で見て触って、イメージをつかむことが一番です。木の見本材や実物例、ショールームなどを活用して、まずは広く見て知ることを楽しみましょう。 その上で、種類ごとの傾向や状況を知識で知ると、少し系統的に印象が整理されることはありませんか?今回は、実物をいくつか見たことを前提に、目で見た違いの原因を知る基礎知識をいくつかお伝えしましょう。 ●組織構成の違いから 樹木は、大きく分けると針葉樹と広葉樹の2種があります。葉の形も樹の形も異なりますが、幹の組織の構成にも違いがあります。広葉樹には、樹本体を支える木繊維とは別に、水分だけを通す細いパイプのような導管という組織が通っています。一方針葉樹は、木繊維と導管の役割を兼ねた単一の組織が大部分です。局部的な組織の違いが少ないので、針葉樹の木質は軽くて軟らかです。ですから、針葉樹材は軟材 (softwood) と呼ばれています。広葉樹材は、一般に針葉樹材よりも硬く、硬材 (hardwood) と呼ばれています。 ●成長輪 (年輪) と質感 樹木を輪切りにすると、バウムクーヘンでおなじみの同心円状の模様=成長輪が見られます。この成長輪 (年輪) の様子も、組織構成の違いから、木の種類ごとに特徴があります。針葉樹は、季節による成長速度の違いで出来る、はっきりした年輪のものが大半です。木肌は柔らかく、目も詰まっています。広葉樹は、導管の並び方で特徴が異なります。年輪に沿って太い導管が並ぶケヤキ、ミズナラ、クリなど(環孔材)は、年輪がくっきりしていて木目もはっきり出てきますが、木地に触れると、肌目は粗く感じます。細い導管が全体に分散するカエデ、ブナ、ホオノキなど(散孔材)は、年輪が不明瞭で木目もぼやけていますが、木肌は緻密です。 年輪の間隔は、小さい方が密度が高く、強くて上質な印象がありますが、それは針葉樹材でのことです。広葉樹では、一般的には年輪幅の大きなものの方が重硬で強度も大きく、材質が優れています。 |
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●伐り方と見え方 丸太からどの方向に材を取るか、その方法のことを木取りと言います。輪切りで見えていた年輪は、縦に伐った木材の表面には木目となって現れ、材を伐る方向によって見え方が変わります。板材の木取りには、図のように板目 (いため) に挽く場合と柾目 (まさめ) に挽く場合とがあります。 板目は、丸太を年輪に接するように挽いた木目で、年輪の模様が曲線になってあらわれます。板目の木取りは経済的ではありますが、板の収縮が大きく、ねじれなどの狂いが出やすいのが難点です。 柾目は丸太を半径の方向に挽いた木目で、普通は年輪が交互に並んだ直線のしま模様に見えます。柾目の板材は、収縮が少なく狂いも少ないですが、楔形 (くさびがた) の挽き残りが多く出るので商品としては経済的ではありません。 |
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●表面にあらわれる模様
木の切り口には、その組織の状況が木目となってあらわれます。木目は、樹種や育ち方の違いによって様々なバリエーションがあります。なかでも、意匠的に美しい模様や珍しいものを杢 (杢目) と呼びます。杢には色々な種類がありますが、図はその一例です。家具などで見たことがあるのではないでしょうか。 木は、均質な素材ではありません。多くの種類があり、性質も持ち味も違います。そして同じ種類の木でも、木ごとに色艶や模様が異なります。また、同じ木から採れる木材でも、その挽き方によって、表情は全く違うものになります。 住まいで木を使いたいと考えている方は、思い込みで樹種を決めたり避けたりせず、まず具体的な色や表情を知って楽しむことから始めてみてはいかがでしょうか。自分たちの好みや目的を自覚して、それをきちんと木材のプロに伝えることで、部位や予算に合った最適の素材探しが進むことと思います。 |
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