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Housing Column ハウジングコラム

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第 65 回
【バリアフリーとユニバーサルデザイン】

 高齢化社会などの社会のニーズによって、『バリアフリー』ということばもすっかり定着していますが、『ユニバーサルデザイン』ということばも耳にします。同じような意味のような気がしますが、「どう違うのかな?」と思ったことはありませんか。

●『バリアフリー』と『ユニバーサルデザイン』

 『バリアフリー』とは、日常生活をしていくうえでの空間上の障害 (バリア) を取り除くことを意味し、身体障害者や高齢者が自立した生活を維持するために考えられた環境の整備や設計のことをいいます。
 一方、『ユニバーサルデザイン』とは1989年にノースカロライナ州立大学のロン・メイス博士により提案されたものです。自らも障害を持っていた博士は、それまでのバリアフリーの概念に代わって「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」をユニバーサルデザインとして定義しました。98年に突然の心臓発作で亡くなりましたが、その意志は多くの賛同者とともに引き継がれています。
 また、最近では『ユニバーサルデザイン』という広い概念を理想として『バリアフリー』がすすめられているともいえます。

●加齢による住宅のバリア


 誰でも年をとるにつれて身体にいろいろな変化が訪れます。
  • 足腰や筋肉の衰えから段差につまずきやすくなり、階段も登りにくくなります。
    平らなところでも転びやすく、骨折しやすくなります。
  • 握力が落ちるためドアノブや水道の蛇口がつかみにくくなります。
  • 視力の衰えから段差や障害物、汚れなどに気が付きにくくなります。
  • 聴力の衰えによりチャイムや電話も聞こえにくくなります。
  • 嗅覚や注意力の衰えにより、ガス漏れ・焼け焦げなど臭いや異変に気づきにくくなります。
 年齢とともに、さまざまな事故にあいやすくなります。国民生活センターによるとその半数以上が家庭内で起こる事故であるということが分かっています。家の中は安全とはいえないのです。

●住宅の『バリアフリー』


 それでは、加齢による住宅のバリアに対応するためには、どのようにしたら良いのでしょう?
わすかな段差にもつまづきやすくなります。
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ゾーニング
 生活に欠かせない水廻りと、よく使うリビングや寝室を同じ階にまとめ、動きやすい環境を考えることでかなりの部分は解消されます。さらに、回遊型の導線を採り入れることで無駄な動きをしなくてすみます。
 また、介護のためのスペースが必要になった時に簡単な工事で作れるよう、それまでは収納として利用し、空間の無駄をなくす方法も良い方法だと思いませんか?
 
各部分や材料・設備について
 玄関は上がり框の段差を抑え、手摺りを取付けるだけでなく、滑りにくく、転んでも怪我をしにくい床材を選んで欲しいと思います。
 階段はゆるやかな勾配にし、手摺りを両側に取付け、幅を広くすると上下の移動が楽になります。ホームエレベーターの設置も一つの方法ですが、むしろ筋力を維持するためには階段を使ったほうがよい場合もあるということも考えましょう。
 トイレには手摺りや、清潔を保ち冬の寒さ対策にもなる洗浄暖房便座を設置しましょう。
 トイレや浴室の扉は、中で人が倒れても外から開けられる外開きか引き戸にし、開き戸の場合は手のひらや肘を使っても操作できるレバーハンドル、引き戸は床に溝のできない吊戸を選びます。
 浴室の浴槽は、またぎやすい高さで縁に腰掛けられ、手摺りが付いているユニバーサルタイプを、水栓金具も湯温調節ができるものを選びましょう。冬に他室との温度差が大きくなると血圧が上がるため、暖房設備も考えます。最近では浴室の暖房と乾燥機やミストサウナも兼ねたものもありますから、上手に使えば生活の豊かさにもつながります。(ミストサウナについては第 61 回【ミストサウナ体験記】に詳しく載っています)
 キッチンにはIHコンロが安全で手入れがしやすいのでお奨めですし、リビングなどの床暖房は身体に優しく、使い方によってはランニングコストも低く済みます。
 全体にメンテナンスを考え、汚れにくく、手入れのしやすい素材を選ぶことも忘れないようにしましょう。

 そして、これらのものは年齢に関係なく、選ぶ人が増えているものでもあります。バリアフリーやユニバーサルデザインも、私たちの生活に身近なものとなりつつあるようです。
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縁に腰掛けて浴槽に入ることができます。

 住まいづくりをすすめてゆくときに、住まいに望む『現在の暮らし』のイメージに、『少し先の将来の暮らし』を重ねてみることで、より長く快適に付き合ってゆける住まいを考えることは大切です。
[住まいのナビゲーター 廣瀬 妙子]
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