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第 80 回
【つなぎ融資】

 住まいづくりの中でもお金のはなしはとっても大切なことなのに、敬遠されがちのようです。それは仕組みが少しややこしかったり、普段聞きなれない専門用語が多かったりと、あまり馴染みがないからでしょうか? 晴海デザインセンターにいらっしゃるお客様も、お金のはなしはご自身だけでは理解しにくいようで、相談される方が多いです。特に、住まいづくりを始めたばかりの方が、あまり意識していらっしゃらないのが“つなぎ融資”です。
 そこで今回のナットクコラムでは、当たり前!? と思うかもしれませんが、住宅ローンの仕組みを整理しながら、つなぎ融資のお話をしたいと思います。

●住宅ローンには担保が必要です


 住宅ローンの融資条件を見ると、ほとんどの商品が要担保と書いてあります。担保とは、融資を受けるときに、万が一、その借入の返済が困難になった場合に備えて、貸した人 (債権者) があらかじめ弁済の確保のために、借りた人 (債務者) に提供させる土地や建物のことです。債務の返済が困難になった場合、その返済に代えて、担保 (土地・建物) による債務の弁済を行うことになります。
 中には融資条件に担保を必要としない無担保の住宅ローンもありますが、要担保ローンに比べると、借りられる金額の限度額が低く、金利も高めの設定になっています。
 住宅ローンを借りて家を取得する際には、必ず抵当権設定登記が行われます。これは債権者である金融機関 (抵当権取得者) が、債務者 (抵当権設定者) のローン不払いなどの事態が発生した場合に、対象となる土地・建物から優先して返済を受ける権利があることを登記するものです。そして、抵当権設定登記をするためには、工事代金を全額支払い、建物を自分の所有物にするため、建物の表示・所有権保存登記が必要になります。


●今までのお話を整理してみましょう!!

 家が完成すると、工事代金を支払って、権利を確保するために、不動産表示登記・建物所有権保存登記を行います。それからローン契約となり、同時に抵当権設定登記を行いローンが実行されて、資金を受け取ることができるのです。つまり住宅ローンとは、土地と建物を担保に設定するローンですので、建設途中の建物は担保にならず、完成してからでないと厳密な意味でローンは組めないわけです。
 
 しかし、工事代金が払えないから住宅ローンを組もうとしているのにそれでは困りますよね。 ですから、工事代金が発生する時から住宅ローン資金受け取りまでの短期間、一時的にお金の流れをつなぐための融資があり、それを“つなぎ融資”といいます。
 つなぎ融資は、通常のローンとは別にもうひとつローンを組む形になるので、金利も手数料も別途かかってきます。ローン決済が実行され、資金を受け取った段階で、つなぎ融資を受けた分は返済を行ってしまいますので、同時に2つのローンを組むわけではありません。
 また、つなぎ融資は担保を持たないローンになるので、金利も高めに設定されているようです。もちろん住宅ローンを借りることを条件に受けられる融資になるので、住宅ローンを組む金融機関と同じになります。
 中には、つなぎ融資の取り扱いがなかったり、金融機関によっても状況が異なりますので、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
 また、一部の金融機関では、分割実行と呼ばれる住宅ローンがあります。
 これは、言葉の通り、通常のローンは一括で資金が支払われるのに対し、工事代金が発生するなど必要なタイミングに合わせて分割で資金が支払われるといった契約になります。この場合、先に土地の抵当権設定を行い、建物は完成してから抵当権を設定しています。審査もかなり厳しく、取り扱いのある金融機関も今のところ少ないようです。

●工事代金の支払い

 つなぎ融資が必要となる費用は主に工事代金ですが、その支払い方法には特に決まりはなく、通常完成まで3~4回に分けて支払われているようです。割合としては、契約時に10%、着工・中間・竣工時にそれぞれ30%といったところが多いようです。依頼先 (ハウスメーカーや工務店) によっても異なってきますので、いつ工事代金の支払いが発生するのかを把握することも大切です。
 
 住宅ローンは申し込めばすぐに資金を受け取れるのではなく、段階を踏まなくてはいけません。一番大切なのは、自己資金でどこまでまかなうのか、またどのタイミングで工事代金の支払いが発生し、それに合わせて、いつまでに資金が必要になるのかを把握することです。
 住宅販売業者の提携するローン会社任せにするのではなく、住宅ローンのことを理解し、いろいろな商品を比較検討して、ご自身の住まいづくりに合った資金計画を考えてみてはいかがでしょうか?

[住まいのナビゲーター 高橋 英子]
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