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住まいと暮らしの専門用語ナットクコラム

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HOUSING COLUMN

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第 116 回

【水のこと 続編】

 第105回「水のこと」では水の循環についてお話しました。今回はその循環を支えるために住まいづくりでできることとして、住まいに降り注ぐ雨を下水道へと直行させず、地面に浸透させて行く、或いは生活水として役立てる方法についてお伝えしたいと思います。

一軒の小さな試み ・・・循環を支える住まいづくり

【屋根に降った雨の敷地内処理】

 雨水貯留槽とは、屋根に降った雨を、雨樋を経由させて貯水する設備のことです。貯水した雨水を庭木の水やりなどに使用し、自然に地面に浸透させていきます。地上設置型と地下埋設型とありますが、ここでは採用しやすい地上設置型についてお伝えします。
 地上設置型雨水貯留槽(以下雨水タンク)のデザインは様々ですが、下図に記した機能①~④を備えたものが使いやすく、容量は一本の縦樋に繋いで用いる200ℓ(浴槽一杯分程度)前後のものから複数の縦樋から集水できる大容量のものまであります。雨水タンクの素材は腐食の心配のないポリエチレン製で有機物の発生を防ぐ光を通さないものが多く市販されています。

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 雨水タンクは既存の家屋にも設置できます。簡単な機構のものであればメーカーから購入して自主施工で対応できます。初期雨水排除型取水継手で貯水したい場合など配管工事が必要となることもありますので、その場合は新築やリフォーム時に対応した工務店などとの付き合いがあればそちらから、ない場合は直接雨水利用設備の専門業者へ相談してください。
 設置工事費用には自治体より助成金が交付されている場合がありますので、購入前に自治体へお問い合わせください。

雨水タンクの選び方
雨水タンクの選び方
上水が断水した時にはトイレ洗浄等にも利用できます
雨水浸透枡の設置

 雨水浸透枡とは、雨樋から流れる雨水を直接下水道へと排出せず、地中に浸透させるために設ける枡のことです。地面に水分を浸透させる装置ですので、水はけが良い土地への採用が基本となります。また急傾斜地への設置は法面崩壊を引き起こす恐れがあるため、各自治体で基準を設けて禁止していますのでご注意ください。
 雨水浸透枡にはコンクリート製、プラスチック製のものがあり、大きさは直径40㎝程度の製品が多く採用されています。
 設置に際しては、集中豪雨時など地中に浸透しきれない雨水が発生した際に溢れ水を排除できるように、オーバーフロー管を下水管に接続させておきます。また、家屋の床下に浸透雨水が廻り込まないよう基礎からの距離を確保する等の対策を必要とします。
 雨水浸透枡は既存の家屋にも設置できますが、家屋全体の排水計画に基づいた設置が基本となりますので、新築時や大規模リフォーム時の採用が望ましいタイミングです。
 この設備も自治体により助成金が交付されている場合がありますので、採用前に自治体へお問い合わせください。

浸透枡
浸透枡
建物の基礎からの距離 600㎜以上確保
雨水貯留槽と連結させて設置することも可能
オーバーフロー機能付き取水継手
オーバーフロー機能付き取水継手
初期雨水排除型取水継手
初期雨水排除型取水継手
初期雨水に混入して来る大気汚染物質、ごみ、塵埃などを分離し、貯水に清浄性を求めたい場合に使用する。
雨水を利用したビオトープの設置

 屋根に降った雨水を樋から池に流し、池に水草を浮かべたり、めだかや金魚などの小魚を飼い、小さなビオトープをつくります。
 設置に際しては、池からの溢れ水が家屋の床下に廻り込まないように基礎からの距離を十分に確保します。水はけのよい土地であれば池の周辺に砂利や木賊(トクサ)など湿地を好む植物の植え込みを設け、そこへ溢れ水が流れるように計画し、地中に浸透させていくこともできます。

【地面に降った雨の敷地内処理】

地表面の緑化

 露地に振った雨水は、土のままの裸地では浸み込みにくく、雨上がりなどぬかるみやすく、その上雑草の処理にも手間が取られます。そこで自然に浸み込む仕掛けとして、芝や下草と呼ばれる植栽を施し、植物の持つ水の循環性を活かして対応します。雨水浸透枡の採用に向かない急傾斜地や水はけの悪い地質でも採用でき、また地表面の緑化は夏の日差しの照り返しを和らげ、暑さ対策にもつながります。

透水性舗装

 天然木や多孔質な素材で作られたブロックなど透水性のある舗装材により雨水を地面に浸透させていきます。

勾配や目地を生かして浸透させる方法

 駐車場やアプローチなど地覆面に強度が要求される部分には、コンクリートやブロックなどを用い、面には勾配をつけ、勾配の先には植栽を施し、そこに雨水が流れ込むように計画し、浸透させて行きます。或いはブロックや石材など舗装材の目地を利用して目地から雨水を地面に浸透させていく方法もあります。

住まいづくりから見えてくるものは?

 住まいづくりは、家の内部の間取りや素材などのことだけではなく、雨水をどう処理するかということも含めて外廻りをしっかり考えていくことが大切です。断片的に捕らえるのではなく、循環が可能な環境を考えて計画していくことで、長期に渡った視点を持つこともでき、住み始めてからの生活がぐんと楽しくなります。
 住まいづくりからは実に様々な事が見えてきます。本当にやりがいのある大切な行為ですね。

[住まいのナビゲーター 廣田 文子]

参考資料:戸建住宅における雨水貯留浸透施設設置マニュアル
社団法人雨水貯留浸透技術協会編集

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