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[番外編] 住まいづくりのプロの視点

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ファイナンシャルプランナー:香取玲子さん
第 12 回 ファイナンシャルプランナー:
       香取玲子さん[後編]

人生の一部として
住まいづくりを考える

 ファイナンシャルプランナーとして住まいづくりナビセンターの建築資金相談にあたってきた経験から、資金計画にはライフプラン全体を見渡すことが大切、という香取さん。実際に相談にいらした方の実例をもとに、そのポイントを教えていただきました。

資金計画づくりは優先順位を確認する作業

 「住まいづくりナビセンター」に資金相談に来られるお客様で一番多いのは、30代~40代の一時取得の方だそう。

 「借り入れを開始する年齢が30代と40代だと、年収やお子さんの数が同じでも、月々の返済額がまったく変わってきます。そう考えると、住宅は早いうちに取得した方がよいけれど、若い方は逆に自己資金が少ないという問題もあって。何年後ぐらいにどのぐらいの頭金を貯めて、どのぐらいの予算で住宅取得について考えたらいいのかという、基本的なところからお話しすることが多いですね」
 住まいのナビゲーションの流れで相談を受けることも多いため、土地を買って家を建てたいという要望の方が多いのも特徴です。
「住まいづくりではこれが一番お金のかかるパターンなので、予算との調整は場所選びになってきます。建物の値段はどの場所で建ててもそんなに変わらないけれど、土地はどこに住むかによって全く違ってきますから。そうなると、優先順位をどうするかをご本人たちが話し合って、決めていただくことが大切になります。たとえば、今は職場に近いなど利便性を重視しておられても、お子さまが生まれたら環境を優先されるとか、奥様が仕事を続けながら子育てしたいという場合には、それができるような環境を第一に考えるべきであるとか。家を建てられた後の生活についても、具体的にイメージしていただくことが必要です。そうやって優先順位を考えていくと、エリアをどうしても重視したいという場合は、土地を買って家を建てるのではなく、マンションにしましょうという場合も出てきます」

世間の常識が自分にあてはまるとは限らない

 時には、世間の常識や固定観念にとらわれて、現実を受け入れてもらえないケースも。
「たとえば、小さいお子さんがたくさんいらっしゃるのに、今、高い家賃を払って生活できているのだから家を買った方がトク、という考えにしばられて、高額な土地を購入して家を建てようとされていた方がいらっしゃいました。シミュレーションすると、教育費がかかる時期には完全に家計が破綻してしまうのですが、聞く耳を持ってくださらなくて。また、これは男性に多いのですが、最初から転売することを考えていて、住むことよりも、ここだったら将来的な資産価値の上昇が見込めるということばかりおっしゃる方もいらっしゃいます。それはその方の価値観なので、私は決して、それをいいとか悪いとか言う立場ではないのですが、住まいづくりの目的としては少し違うのではと心配になります」
 反対に、住宅取得をあきらめていた人に、上手な住宅ローンの利用の仕方をアドバイスして、希望を持っていただくこともあります。
「公務員の方に多いんですが、公務員の給与体系は、働いている間の収入を抑え、退職金を確保するというものになっています。この場合、サラリーマンと同じ考え方でローンを組むと、月々の返済がギリギリになったり、希望の金額が借りられなかったりするんですね。ところが、退職金による繰上返済というバックボーンがあるので、返済期間を長くして毎月の負担を減らすとか、金利を選ぶときに、変動もしくは固定期間の短いものを選ぶなどすれば、十分に希望のローンを組むことが可能になるのです。もちろん教育費がいつ終わるかなどによっても違いますので、一概には言えませんが…」
“住宅ローンの借入金額は少なく、期間は短く”という世間の常識も、全員にとって当てはまるわけではないということです。

ポイントは「長期で考え、こまめに見直し」

 これから住宅ローンを考える人へのアドバイスは?
「住宅ローンは自分だけのオーダーメイドで考えること。人がこうだから自分もこうしようとか、正しい答えがどこかにあるものではないと思います。情報をたくさん集めることも大事ですが、自分たちにとって一番いいものは何なのかという視点を、常に持っていることが必要ですね。
そのためには、返済期間が35年なら35年にわたる長期的なシミュレーションをして、返済が可能かということを長い目で見るということ。また、一度シミュレーションを行ったらそれで満足してしまわず、こまめに見直しをすることも大切です。借りたときは最良のプランであっても、収入や家族の状況、社会情勢が変化することによって、違う対応をした方がいい場合も出てきます。計画の立てっぱなし、ローンの借りっぱなしはしないようにしましょう」

ファイナンシャルプランナー:香取玲子さん
「限られた相談時間の間に、人生の縮図を見ることもあります」と香取さん。相談者が「相談してよかった」と笑顔で帰られることが、何よりのやりがいだとか。
→ 「建築資金相談」の詳細はこちら
→ 「住まいづくりナビセンター」のサービス紹介はこちら

お金の相談はデリケートなもの。相談者に信頼してもらうために心がけているのは、相手の言葉をまず聞くことだそう。「自分が住宅取得した時の体験や、子育て経験をお話しすることで、アドバイスを身近に感じていただける場合もあります」

HOUSING COLUMN

ナビゲーターfile6
香取玲子さん

撮影/諏訪泰宏
取材協力/月刊『からだにいいこと』編集部
月刊 からだにいいこと
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