My Life,My Style
home>Housing Column>住まいと暮らしの雑学探検隊>子育ては離れで?アナウサギの防犯住宅
  • Navi Menu
  • Housing Column
  • ハウジングコラム
  • 専門用語ナットクコラム
  • 雑学探検隊
  • HAPPYジャーナル
  • 番外編 住まいづくりのプロの視点

Housing Column ハウジングコラム

バックナンバー
第 2 回
子育ては離れで?
アナウサギの防犯住宅


●不思議の国のアリスの舞台&
  ゴルフの起源となったアナウサギの家


 ウサギは、大きくわけて野ウサギとアナウサギという2種類がいます。野ウサギの方は“住まい"と呼べるような巣は持ちません。草原の地面を浅く掘り、地表すれすれの所に体が隠れるようにするだけです。一方のアナウサギはその名の通り地面に無数の穴をあけ、迷路のような家をつくる事で有名です。「不思議の国のアリス」でアリスがウサギを追って迷い込む穴は、アナウサギの巣穴をモデルにしていると言われています。また、「羊飼いが杖を使ってボールを穴に入れる遊びをしたのが起源」と言われるゴルフの穴も、実はアナウサギの巣穴なのです。

●外敵をあざむく複雑怪奇なトンネル住宅

 一夫多妻制を基本に集団で暮らすアナウサギは、「ワレン」と言う名のトンネル型共同住宅に住んでいます。入口の穴は直径15センチぐらいと小さく、トンネルは幾重にも分岐していて無数に部屋があります。
クリックすると拡大表示されます。
 これまでに全長150メートルに及ぶトンネルや、100メートル四方に広がった巣も発見されています。その巣には出入り口が50カ所以上もありました。アナウサギは、これにさらに新たなトンネルや出入り口を加え代々住み継いでゆくのです。古いモノでは、築100年以上のものもあるとか。「いい家を作れば住み継がれる」というのは、アナウサギ界も人間界も同じと言えるかもしれません。
 なぜこんな複雑な家をつくるかと言えば、アナウサギはキツネや野犬、イタチなど天敵がたくさんいるからです。天敵にみつかるとアナウサギはまずピョンと飛び上がって地面を叩きます。これは地下住宅にいる仲間に「敵がいるぞ。出るな」という合図。地下住宅だからこそ伝わる、いわば非常警報です。次に最高時速約80キロで左右に走り回りながら逃げ、最後に小さな巣穴に隠れてしまう。大きな動物はそれ以上追ってこられません。オコジョなどの天敵は穴の中まで侵入してきますが、迷路状になっているし、出入り口がたくさんあるので敵が迷っている間にみんな脱出できます。この出入り口には地中から垂直に掘ったの緊急脱出用もあり、アナウサギはその脚力を生かして、ピョンと真上に飛び出すこともあるとか。オコジョにはそんな脚力がありませんから、そこで立ち往生してしまうんだそうです。人間の共同住宅でいえば、非常階段や非常口が充実した防犯防災住宅。「もしも」を考えた機能も住まいづくりに大切なことをアナウサギの巣穴から学びとることが出来ます。
 
部屋数は無数。
お気に入りのメスが一番いい部屋に
 では典型的なアナウサギの家を例に間取りを見ていきましょう。直径15センチの小さな玄関を入るとしばらく狭い廊下が続き、ちょっと広めの廊下へ。ここはアナウサギ同志がすれ違うための交差点的な踊り場。さらに進むと、幾重にも廊下が分岐していて行き止まりもあります。外敵が侵入しにくく緊急出入り口にも近い、といった好条件の部屋は、この集団のボスであるオスの第一夫人が入居。その次にイイ部屋には第二夫人が、その次は…という風にオスのお気に入り順に部屋が決まっていると言われています。
 
●離れの住宅で子育て=渡る世間は鬼ばかりだから?

 しかし、いくら複雑な構造でも絶対安全ともいえません。同じように迷路状の穴を掘り、そこを住まいにするアナグマに、まるごと巣を乗っ取られることもあります。集団生活をしているがゆえに、巣穴を外敵に見つけられやすいということもあるのです。
 だからアナウサギのメスは生まれたばかりで抵抗力のない子供のために、ちょっと離れた場所に別の巣穴をつくることが少なくありません。つまり子供専用の“離れ”です。ある程度の大きさになるまでは、この別宅で密かに育てるのだそうです。“子供を危険から守りたい”という気持ちは人間もアナウサギも同様です。ママがお出掛けの際には、子供達が不用意に外にでたり、怪しい輩が入ってこないようしっかり戸締まりするように、アナウサギも入口に土をつめて後ろ足でパンパンと固めます。
 玄関の戸締まりをするのは“子供専用部屋”だけですが、防犯の大切さをアナウサギはよく知っているのです。
 ところが一説には、他のメスアナウサギから子供を守るために入口を埋めるとも言われています。一夫多妻制ゆえに、メス同志の権力争いも激しく、よその子供につらくあたるメスもいるらしいのです。渡る世間は鬼ばかりじゃありませんが、アナウサギの共同生活もなかなか大変なんですね。
Copyright (c) Sumanavi Center All Rights Reserved.