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Housing Column ハウジングコラム

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第 4 回
安心快適・いびきをかいて寝る?
  プレーリードッグの家


●とっても臆病だから、
  ホームセキュリティは万全


 プレーリードッグと言えば、草原の中に小さな丘をつくり、そこにヒョコっと現れて2本脚で立ち、辺りを見回しているカワイイ姿が有名です。前足を揃えてキョトンとした表情でキョロキョロと彼方を見回す姿は、人間が知らない土地に地下鉄でやってきて、地上に出た時に「ここは何処だ?」という仕草にソックリ。一見、そんなトボケタ表情のプレーリードッグですが、実はかなり真剣に辺りを監視しています。まわりの環境を熟知していて、その変化に気づくやいなや電光石火の早業で、丘の中心にある巣穴に隠れます。草原には天敵がいっぱいいるために、彼等はとっても臆病なんです。
 よく見てみれば、彼等が住む草原の草の高さは、そのほとんどが20センチ弱。彼等がつくる丘も同じような高さで、プレーリードッグが立ち上がる事によって草の高さを越え、住まいのまわりを遠くまで見渡す事ができるのです。そう、この丘は彼等がつくる集合住宅の入口兼見張り台、いわばセキュリティ設備なのです。
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入口には守衛室兼管理人室、
 高級マンションのような安全管理
 プレーリードッグは、以前ご紹介したアナウサギ同様に地下に複雑な穴を掘り、一夫多妻制を基本に集団で暮らしています。住まいの最大の特徴は“小さな丘の見張り台”ですが、それ以外にも、様々な工夫がありました。早速、プレーリードッグの住まいを探検してみましょう。
 まずは、見張り台の中心やその横にある直径15センチのせまーい玄関から巣穴に入ります。廊下となるトンネルの基本はすべてこの大きさ。もちろんこれはコヨーテなどの大きな肉食獣が入ってこられないようにするためです。一方、体長約30cm、尾長約10cmのプレーリードッグの体型は、円筒状で手足は短く毛並みも短く滑らか。トンネル内で後ずさりをしても逆立つこともありません。また耳も小さく、鼻の穴は閉じられているので、トンネル生活にピッタリなのです。
 縦穴の廊下を深さ1メールぐらいまで進むと、横に袋状の小さな部屋があります。浅い場所にあるこの部屋は、玄関周辺に敵が来ていないかを音や匂いで見張る、いわば守衛兼管理人室。地上やこの部屋にいるプレーリードッグは危険が迫った時、“キャンキャン”という犬のような声で、奥にいる仲間に伝えます。ちなみにプレーリードッグはリスの仲間ですが、この鳴き声から「プレーリー」(草原の)「ドッグ」(犬)という名がつけられたのだそうです。
 
大雨対策もバッチリの安全快適住宅
 さらに奥に進みますと、複雑にトンネルが分岐し、地下数メートルの安全な場所に子供部屋・食料貯蔵庫・トイレなど、たくさんの部屋が現れます。面白いのは、廊下は深く掘りますが、途中で地上に向かってUの字に曲がり、廊下の深さよりも浅い場所に部屋が作られている事。これは大雨などがふった時、一番深い場所に掘った廊下に水を集め、生活する部屋に浸水しないようにしているのです。
 さらに、他の地中動物同様に地上に裏口をいくつも開けます。出入り口としても利用しますが、玄関と別の穴をあけることによって新鮮な空気が流れるようにしているのです。
 プレーリードッグが多く住む北米の草原は夏になると気温が40度を越えます。でもプレーリードッグの住まいは、新鮮な空気が流れるのと地中の適度な湿り気で、昼も夜もいつも15度前後の適温が保たれることがわかっています。まさしく安全快適住宅なのです。
 
●代々女系に受け継がれるプレーリードッグの家

 さて、仲間や家族に対しまるでキスをするようなスキンシップをするプレーリードッグですが、子供が育つと息子は独立し(約1年)、なんと続いて父親が家を出ていきます。大切な住まいは、母親と娘が代々受け継ぐのです。これは、本能的に近親交配を避ける行動と言われていますが、メスは生き抜く力が弱いので安全な家を残してやり、経験豊かな父親は新天地を目指して旅立つと考えられています。
 父親は新天地で別の女系一家と出会い、彼女たちと共に住まいや見張り台を修復し、そこでまた新たな安全で快適な生活を始めるのだそうです。
 最近はペットとしても有名になったプレーリードッグですが、飼い主の話を聞くと、安心しきっている時はまるで休日のオヤジのように、あぐらをかいてエサを食べ、“いびき”や“寝言”をいいながらウトウトするそうです。
 きっと野生のプレーリードッグも、安心快適住宅の中では“いびき”をかいてぐっすり休んでいるに違いありませんね。
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