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住まいと暮らしの雑学探検隊
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木材タイムスリップ (2)
第 46 回
住まいのヒミツ
【木材タイムスリップ (2)】
前回に引き続き、【木=木材】に注目して雑学探検です! 古から伝わる、蘊蓄あるこんな言葉からスタートです。
●古から伝わる木に関する言葉『木を買わず山を買え』
前回もご紹介しましたが、木の強さや、癖を知らなければ、丈夫で安全な建物はつくれません。日本では古から、その大切さが代々の棟梁に言い伝えられてきたそうです。
中でも有名なのが「木を買わず山を買え」という言葉。これは、いくら同じ種類の木でも、環境が変われば性質も微妙に変わり、その違いが、やがて建物にくるいや歪みを生じさせるから、建物を建てるには、木を選ぶのではなく、山を選べということ。例えば木曽の木と、四国や九州の木を一緒に使うのは育った場所も環境も違うため、そのような事が起こりかねません。
●木の伐採時期を伝える言葉『木六竹八』
また、木を伐採する時期を伝える言葉もあります。「木六竹八」と言って、旧暦の6月に木を、8月に竹を伐採するのが一番いいという教えです。6月は現在の8月。実は、木は、この時期になると、越冬の準備を始めるため、養分を充分に蓄えはじめるのです。つまりベストの状態で、伐採することになります。いわば、木材にする旬と言ったところでしょうか。
竹の8月は、今の10月。その理由はまだわかっていませんが、闇夜に伐るのがいいとされています。これは、月夜の日に伐採すると、虫が入ると言われているからで、虫食いの少ない竹が伐る事が出来るということでしょう。
●大工さんに伝わる「木の心」
もうひとつ興味深い言葉があります。それは「木の心」。これは同じように見える木も、一本一本、癖を持っているので、その癖や性質=“心”を知り、それを組み合わせて行かなければならないという教えの一つです。
例えば、まず木が山のどこで育ったかによっても「木の心」は違います。峠の木は強いし、中腹の木は適度に使いやすく、谷の木は柔らかい。また、北側に生えた木は柔らかいので造作材向きで、南側に育った木は、材質が非常に堅くなるので、柱に向いています。
さらに、いつも同じ方向から風が吹く処で育った木は、その風に対抗するように働く力があるので、ねじれていく性質を持っています。これを生かして、右ねじれと左ねじれを組み合わせれば、部材同士が強く組み合わさるという訳です。
もちろん、これは木から、用途に応じて、角材や板材に加工するときも同様です。
木材の部分の芯とそのまわり、年輪の模様が見える柾目と、地図の等高線のような模様の板目では、木の収縮率が違います。このことを考えながら適材適所に部材を使っていくことが、木の家にはとても大切なことなんです。
●水につけたほうが、早く乾く
そんな木のねじれやくるいをなるべく出さない方法も考え出されました。
柱の場合、表面が割れてくるような性質の木には「背割り」という切れ目をひとつあらかじめ入れてしまい、ねじれの力を放出するようにします。
木が反り返ってしまう板材などには、反る方向に対し木片を渡し、反りを抑えるようにします。
また、木は残っている樹脂の水分によって、ねじれやくるいを生じるため、よく乾かさなければなりません。そこで、水に漬けたのです。水で樹脂を抜き、さらに保管するのに、虫やカビを防ぐことも出来ます。しかも、木の樹脂と水を置き換えると、乾くのがとても早いのです。
昔の大工の小僧さんは、この知恵を使って、鉋 (かんな) 用の台を枯らせたといいます。14,5歳で弟子入りする際、生の樫 (カシ) の丸太を持参し、2つに割って、仕事場の脇を流れるドブ川に漬けておきます。一通り、仕事を覚え、年期があけるまで、およそ十年間つけておくのです。
一人前になった日に、この丸太を取り出し、その形に割って乾かし、鉋用の台としたといいます。こうして造った鉋台は、決して狂う心配がないと言われていたのです。
古の大工さん達の「木」を知る勉強は、こういうところから、始まっていたのです。
一軒の木の家に使われる木材はいっぱいあります。それはつまり、そのひとつひとつに、「木の心」と物語があるということ。こう考えると、木の家造りは、物語を紡ぐのにも似ているかも知れませんね。
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