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Housing Column ハウジングコラム

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第 47 回
 住まいのヒミツ
 木材タイムスリップ (3)
家族のための
 クリスマスツリーと大黒柱

 今回は、【木材タイムスリップ】の年末番外編として、クリスマスツリーと日本の“柱”について雑学探検です。歴史を紐解いてみると、クリスマスツリーも、柱も、『家族を守る』という思いが込められ、そこには精霊や神様が宿っていると信じられていたことがわかります。

●街角がクリスマスツリーになる平成ニッポン


 12月に入り、様々な場所でクリスマスツリーのイルミネーションを楽しむことが出来る季節となりました。最近では、住まい自体をLEDや豆電球で彩り、家全体をライトアップするお宅も少なくありません。場所によっては隣三件両隣がすべてライトアップされていて、夜になると、普段はさして明るくない住宅街の一角が、彩り鮮やかに瞬き、ひとつの大きなクリスマスツリーに見えるかのような幻想的な雰囲気になっていたりします。クリスマスと言えば、イエス・キリストの誕生日というのが常識ですが、“クリスマスツリー”のルーツは何なのでしょうか?

●一般的なクリスマスツリーの起源

 今より2000年ちょっと前、聖母マリアとヨセフは旅をしていました。その途中、宿をとっていた馬小屋でイエス・キリストが誕生した話はあまりにも有名です。その時、夜空に大きな星が光り、3人の賢者 (使い) がキリストに贈り物を持ってきたといいます。この星が、クリスマスツリーの一番上に飾る星になり、贈り物が、クリスマスプレゼントの始まりと言われています。
 この星の下にあった木がモミの木だった説もありますが、実は“住まいに常緑樹を飾る”という風習は、ヨーロッパでは古代からあったのです。

●村や家族のための風習だったツリー

 古代ヨーロッパでは枯れた木々から去った小さな精霊が、春に再び戻ってくるように、そしてその精霊の生命力が家族にも宿るよう、樹木を家の中に置き、色を塗った石や布で目立たせるという風習がありました。常緑樹のモミの木は、冬でも葉が落ちず、永遠の生命を象徴するものとして、崇拝の対象とされていたのです。
 この信仰がキリスト教に吸収され、さらに小さな精霊と、トルコの聖職者セント・ニコラスの存在が一緒になって、サンタ・クロースになったと言われています。
 16世紀、この古い風習がキリスト教と交わり、ドイツでクリスマスツリーに変わりました。18世紀にドイツの人々がアメリカ大陸に渡ったとき、その伝統が広く伝わります。その後、19世紀始めのころ、イギリスのヴィクトリア女王がウインザー城に初めてツリーを飾ったことが報道されると、王家にあこがれた一般市民も真似するようになり、全世界に広がったと考えられています。

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●大黒柱に宿る神様

 実は、日本の住まいの柱、それも大黒柱には「家霊」という霊が宿っていると考えられていました。
 元々は、方位を表す「大極柱 (だいこくばしら=中心の柱の意)」が転じた言葉とされていますが、これまでご紹介したように、木に精霊や神が宿るという考え方は日本にも古くからあり、福徳の神である「大黒」の名に変えたのは、家や家族を守るという思いが込められているからに違いありません。(大黒柱の別名には、“えびす柱”もある。考え方は同様)
 茅葺き屋根などの昔の家は、この大黒柱に四方から何本もの鴨居や梁が差し込まれ、屋根を支えていました。解体するときは、この一本一本を丁寧に抜かないと、ロープ掛けをして柱を引き抜こうとしても、ビクともしなかったと言います。またその昔は、解体の際に、家主が役目を終えた大黒柱に御神酒をかけて、黙祷を捧げました。家や家族を守ってくれた「柱に宿る神様」に礼を尽くしたのです。

●柱の名前

 余談ですが、大黒柱以外にも、様々な柱の名前があります。地域によって様々な説があるようですが、例えば、大黒柱以外に (含む場合も) 屋根の重みを支える柱を「荷持柱 (にもちばしら)」または「本柱 (ほんばしら)」と昔の大工さんは呼んでいたと言います。
 また、旧家には、家の中央にある柱で、宴会などがある場合に抜き取ることが出来る柱があります。それは裕福な人しかつくれない程大きな家にしかなかったので「長者柱」、「都柱」と呼ばれていました。さらには、「嬶柱 (かかあばしら)」と呼ばれる柱もあります。これは台所の柱のことで (大黒柱をこう呼ぶ説もあります)、暇を持てあますと、この柱にもたれかかって母さんが休むので、その名がつけられたといいます。
 ことほど左様に、日本の“木の家の柱”には、家自体を生きている存在としてとらえたり、住まう人をイメージしたりしている言葉が多いのです。
 
 石や土の家が多かった古代ヨーロッパでは、クリスマスという文化を通して、木の精霊を家に持ち込みました。木の家が多い日本では、柱に霊が宿ると信じられていたのでしょうか。似ていると言うのは言い過ぎかもしれませんが、「家族を守る」という人々の思いに変わりはないかもしれません。
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