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住まいと暮らしの雑学探検隊

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住まいと暮らしの雑学探検隊 雲の隙間からハートがのぞく

雲の隙間からハートがのぞく

HOUSING COLUMN
第 74 回

千変万化。「雲」のおはなし

 子どものころ、真っ白な雲を眺めては大きなクジラやソフトクリームに見立てたり、「雲に乗ってみたいなぁ」なんて夢をふくらませたり。皆さんにも、そんな楽しい思い出がきっとあると思います。
 そんなかわいい夢とはうらはらに、昔は大人たちこそ真剣に雲を眺めていました。それは、さまざまに形を変える雲が、生活を左右する天気を教えてくれる大切な存在だったからです。
 一方、表情豊かな雲の魅力も楽しんでいたようで、俳句や詩、浮世絵などさまざまなシーンに情緒ある雲の姿が表現されています。
 さて、今回の「雑学探検隊」はそんな「雲」がテーマ。暮らしにまつわる雲の雑学をお話しします。

雲の“世界基準”、知ってますか?

 まずは雲の基本からお話ししましょう。さまざまな形で空に現れる雲。その姿は一見バラバラなように見えますが、意外にもきちんと秩序があり、現れる高さや形によって10種類に分けられています。これが雲の世界基準「10種雲形」。世界気象機関によって定められた、世界共通の雲の種類です。

 この基準は「雲の形は世界中どこも同じ?」という素朴な疑問を解決するために、100年ほど前、世界中が協力して観測した結果生まれたものです。

 ここで、ちょっと理科の復習。雲の正体を皆さんは覚えていますか?雲は、空気中の水分が冷やされ、小さな軽い雲粒(水滴や氷の結晶)となり、それが集まって空に浮かんでいるもの。この雲粒が大きく重くなると、雨や雪となって地上に落ちてくるのです。

雲の名前、いろいろ

 日本古来の雲の名前。そこには雲の姿や風景が情緒豊かに表現されていて、昔の人が実に楽しく雲を眺めていたことを感じさせてくれます。その中から、身近に見られる雲の名前をいくつかご紹介しましょう。
 青空高く、真っ白な真綿を伸ばしたように浮かぶのは「筋雲」。一年中見られますが、秋から冬にかけての澄んだ空に浮かぶ姿はとても印象的です。

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 筋雲と同じく秋冬にきれいな姿を見せてくれるのは「鰯雲」や「鱗雲」。魚の鱗のようにキラキラと輝くことからこの名が付いたと言われ、その空の美しさは多くの詩歌にも詠まれました。
 この「筋雲」「鰯雲」「鱗雲」は、これからの季節に一番映える雲。晴れた日に空を見上げれば、きれいな風景に出会えるかもしれませんよ。
 モコモコとかわいらしいのは、皆さんよくご存知の「羊雲」。西洋の人々は、この雲が太陽や月に照らされて光冠が見える瞬間の美しい姿を「神の使いの羊」と呼ぶそうです。
 このほか、何とも怪しげな雰囲気のうっすらと雲のかかる月は「朧月(おぼろづき)」、雲の集まる様子は「雲の湊」と、雲の風景にもたくさんの名前があります。空を彩る表情豊かな雲、その風情を映したきれいな名前。何げなく浮かんでいる雲に奥深い楽しみが隠されている気がして、探ってみるとちょっとワクワクしますよね。

★【プチ雑学】

「環八雲」ってご存知ですか?これは、東京の環状八号線沿いの空に現れる雲のこと。ヒートアイランド現象と大気汚染が発生の原因だとされています。変わりゆく地球環境を、雲が教えてくれているのかもしれません。

言い伝えは「雲の天気予報」

 さて、時代は変われど、現代の暮らしにも天気が密接に関わっていることに変わりはありません。そこで、昔ながらの雲の天気予報をちょっとご紹介しましょう。
 「月に傘がかかると明日は雨」なんて、よく言われますよね。これは本当のこと。低気圧が近づいていて、空に雲が広がり始めている印だから、天気がくずれると予想できるのだとか。
 同じように「鱗雲」が見えたら3日のうちに雨が降るサイン。また、「波のような形の雲」が現れたらもうすぐ雨になる確立が高くなります。

夕日に染まる雲
夕日に染まる雲

 青空に真っ白なラインを描く飛行機雲も雨が近い知らせ。これは、上空の空気が水蒸気をたくさん含んでいる時に飛行機雲ができるからです。
 天気予報の発達した現代では簡単に明日の天気を知ることができますが、雲は今でもちゃんと天気を知らせてくれます。たまには先人の感性を受け継いで、その知恵に頼ってみるのも楽しいかもしれませんね。

 千変万化に表情を変える雲。むくむくと巨大な雲が立ちのぼるかと思えば、真っ白な糸のように棚引いたり、ふわっと綿のように浮かんでみたり。朝日に照らされれば黄金色に輝き、夕日が沈むめば真っ赤に染まる。そんな風に刻々と姿を変えながら、一瞬のドラマを私たちに見せてくれます。
 それに、なんといっても空を眺めるのは気持ちがいい。曇ってやっぱり楽しい。子どものころ、雲に思いを馳せていた気持ちは、今でもきっとどこかにあるのかも。ちょっと顔を上げてみれば、そこにはいつだって大きな空と雲のアートが広がっています。窓を額に雲をのんびり眺めるもよし。歩きながらふと空を見上げるもよし。変幻自在な雲の風景を、自分の感性で自由に楽しむ。そんなことに気持ちを寄せると、ほんの少し、毎日の暮らしが楽しくなるかもしれませんね。

さまざまな雲の表情

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